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INTERVIEW

眩暈SIREN

2017.02.16UPDATE

2017年02月号掲載

眩暈SIREN

Member:京寺(Vo) オオサワ レイ(Gt) ウエノルカ(Pf/Vo)

Interviewer:山本 真由

2012年に福岡で結成された5人組ロック・バンド、眩暈SIREN。京寺の描く、厭世的で中毒性のあるリリックが、現代に生きづらさを感じる若者の共感を呼び、2014年にリリースしたTOWER RECORDS限定盤『ジュブナイル論』で注目を浴びる。さらに、翌2015年リリースの1stアルバム『或る昨日を待つ』で、その不思議な世界観にハマるリスナーも増殖。ヘヴィな要素とキャッチーな要素が複雑に絡み合う、独創的なサウンドは新作ミニ・アルバム『六花』でさらなる高みへと進化した。今回、そのミステリアスなヴィジュアル・イメージは実はシャイだからと語るメンバーたちに、謎に包まれたバンドについて語ってもらった。

-まずは、新作ミニ・アルバム『六花』の完成、おめでとうございます! 激ロックでは初めてのインタビューになりますが、よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします。

-アーティスト写真がシルエットだったり、ライヴ映像もなんとなく表情の見えづらい編集だったり、ミステリアスなバンドという印象なのですが、顔を出さないプロモーションの理由は?

レイ:プロモーション的なことは考えておらず、単純に顔出しが恥ずかしいから出してないだけです。

ウエノ:レイの言うとおり、特にプロモーションとして考えてたわけじゃないんですけど、なんとなく"あんまり顔は出したくないよね~"っていう話から、ヴィジュアルで判断されたくなかったっていうのもひとつあると思います。

-"眩暈SIREN"というバンド名は、心の深いところに響いてくる音楽性にマッチした、絶妙なネーミングだと思ったのですが、このバンド名を選んだ経緯や由来について教えていただけますか?

ウエノ:深夜のテンションでバンド名を考えているとき、誰かが"眩暈ってよくね?"って言って、そこから"眩暈"に合う単語を探していたら、"SIRENじゃん!"となり、"眩暈SIREN"になりました。少なくとも由来はなく、語感のみで決めたと......。

-2012年に福岡で結成とのことですが、メンバーみなさん福岡のご出身なのでしょうか? バンドの成り立ちやこれまでの活動について教えてください。

ウエノ:5人中4人は福岡、1人は熊本、っていう感じですね。まぁ生粋の博多ジェントルマンは僕だけですが......。成り立ちとしては、京寺、レイ、NARA(Dr)が同じ専門学校出身で、当時はレイ、NARA、森田(康介/Ba)で前身バンドをやってました。それが解散した段階で京寺を引き込み、当初は4人で"眩暈SIREN"として活動していたんです。そんななか、僕は別のバンドをやっていて、4人組"眩暈SIREN"とも対バンしたことがあり、特にNARAとは親交がありました。そして僕のバンドの解散が決まり、加入して今のメンバー編成に至るって感じですね。そこからは自主でのリリースを経て『ジュブナイル論』に繋がります。あとはご存じのとおりです。

-2014年にリリースしたTOWER RECORDS限定盤『ジュブナイル論』で一気に全国区になり、2015年リリースの1stアルバム『或る昨日を待つ』も、様々なジャンルのリスナーから好評を得ているようですが、ファン層が広がったことで周囲の環境や制作活動にはどんな影響がありましたか?

ウエノ:えーと......特にはないです(笑)。もともと外部との接触が少ないバンドなので、そういったところで自分たちの作りたい音楽に影響する、ということはなかったと思います。ただ単純に、いろんな人が僕らの音楽を聴いてくれているっていうことは本当に嬉しいです。環境の変化について強いて言うなら、僕が就職したり、NARAが自分のお店をオープンさせたり、くらいですね(笑)。

レイ:環境の変化は特に感じないです。福岡の片隅でヘラヘラしながら曲書いたりラーメン食べたりしてる毎日です。


今は"叙情型エモ・ロック"って言われてるけど、次の作品はメタルかもしれないし、ヒップホップかもしれない


-眩暈SIRENの音楽性は、"叙情型エモ・ロック"なんて表現をされていますが、ピアノの繊細な響きと、和の風情も感じられる歌メロ、スクリーモ/メタルコア的なバンド・サウンド、叙情系ハードコアからの影響など、複雑に絡み合ったエレメントが危ういバランスで奇跡的なキャッチーさを生み出しているというか。こういった音楽性に辿り着いたのには、どんなバックグラウンドがあるんでしょうか? メンバーみなさんの音楽遍歴が気になります。

ウエノ:"叙情型エモ・ロック"っていう表現は、僕は正直あまり気に入ってないですね(笑)。そもそも叙情系ハードコアっていうのもあまり聴いたことはなくて......。日本語スクリームがあるからそう言われてるのだろうとは思うんですけどね。僕らは音楽性について目指しているものはまったくなくて、"自分たちがやりたい音楽をやる"っていうことだけを考えて作品として作ってます。なので、今は"叙情型エモ・ロック"って言われてるけど、次の作品はメタルかもしれないし、ヒップホップかもしれない。それくらいジャンルっていうのはどうでもいいものだと思っています。好きな音楽も生い立ちも生き方も考え方もホントにバラバラな5人が集まってるんですけど、ジャンルじゃなくて、この5人で作れる音楽を作ると現在では今回みたいな作品ができる、っていう。なので、僕が曲を作るときは、"眩暈SIRENでメタルをやったらどうなるかな?"とか、"ポップな感じの曲をやったらどうなるかな?"っていう妄想を繰り広げながらやってますね。妄想があまりに行きすぎると御意見番(森田)から手厳しい評価をされますが......(笑)。すいません、だいぶ質問から逸れてますね......(笑)。音楽遍歴と言うと大げさに聞こえますが、基本はただのリスナーです。みんな本当に何でも聴きます。共通して好きなものもあれば、お互いに"それはホントにわかんない!"っていうくらいわかり合えないものもあります。ちなみに僕は、ゴスペラーズの大ファンです。