MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

眩暈SIREN

2017.02.16UPDATE

2017年02月号掲載

眩暈SIREN

Member:京寺(Vo) オオサワ レイ(Gt) ウエノルカ(Pf/Vo)

Interviewer:山本 真由

-今作では、作品の世界観にピッタリなアートワークをイラストレーターの青藤スイさんが、そして様々なバンドの映像作品を手掛ける映像作家のINNI VISION氏がMVやアーティスト写真のディレクションを担当されているとのことですが、彼らを起用した理由は? また、こういったアーティストとのコラボレーションによって、新鮮に感じた点などあれば教えてください。

ウエノ:僕たちには"しんちゃん"と"ゆうたさん"という友達がおりまして、そのふたりが青藤スイさんとINNI VISIONさんを紹介してくれたのがきっかけです。新鮮に感じる、というよりは、スイさんとINNI VISIONさんの作品に終始圧倒されていた、という感覚でした。それくらいお二方のアートには響くものがあったし、そんな素晴らしいアーティストさんたちと自分たちの楽曲がコラボレーションできたことを本当に光栄に思います。ジャケットやMVを見ていただければ、おふたりがどれだけ素晴らしい作品を作るのか、ということはひと目でわかると思います。MVの撮影中はスイさんの描いた絵と、INNI VISIONさんの映像が映し出されるたびに、メンバー一同、そのきれいさと繊細さに感嘆しっぱなしでした。今作は僕らの楽曲でない部分――アートワークやMVの映像など、視覚的なコンテンツも見どころ満載です! こういうことができるのは本当にミュージシャン冥利に尽きる経験だと思います。

-プレ・リリース・ツアーということで、すでに東京、大阪と地元 福岡でのライヴを行っていますが、ライヴの雰囲気や手応えはいかがでしたか?

ウエノ:かなり久しぶりの東京、大阪のツアーだったのですが、想像以上に待っている人たちがいることに驚いたのと同時に、嬉しかったです。東京のお客さんも大阪のお客さんも、本当にあたたかいと思います。遠方から足を運んでくださる方も少なくなく、本当に感謝です。福岡は地元であるがゆえに一番シビアだったりはしますが、やっぱり地元ありきですので、それもまた心地いい、っていう(笑)。僕らはそんなに、"めちゃめちゃライヴがやりたいぜ!!"なバンドではないんですが、やっぱり"自分たちが作った楽曲のある種の到達点というのはライヴにあるのだなー"と感じましたね。

-リリース後は、今作を携えての全国ツアーなど計画されているのでしょうか?

ウエノ:ツアーの予定は特にないですが、4月1日に東京の渋谷TSUTAYA O-Crestにてワンマン公演を行うことが決定しています。東京でワンマンをやるっていうことを考えたことがなかったので、なんだかこう非常に恐縮な気持ちと言いますか......。とにかく緊張してますね。楽屋で緊張をほぐす知り合いのバンドをしてくれる人を募集してます(笑)。

-地元 福岡の音楽シーンでは、眩暈SIRENは珍しい存在なのではないかと思うのですが、地元のシーンについてはどんな印象を持っていますか? また、地元とそれ以外の土地でのライヴに雰囲気の違いは感じますか?

京寺:福岡のシーンは、どこの馬の骨ともわからないような我々を女手ひとつで育て上げてくれた母親のような存在にございます。今でこそ我々は、ダイオウグソクムシやミヤマクワガタなどを食して命を繋いでおりますが、かつては山に住み、そこを通る商人どもの荷馬車を襲っては金品や食料を奪うことを生業とした薄汚い野盗の一味でした。みなさんご存じのとおり、福岡の名の由来は"不変の苦しみと汚れ、そして火事がよく起こる"を略して"不苦汚火(ふくおか)"といい、それが長い年月を経て"福岡"となったという説が有力です。その由来から察するとおり、福岡のバンド・シーンには、討ち取った敵将の頭蓋骨に酒を注ぎ、乾杯するような魔王クラスの人間がごろごろとおります。そんな天外魔境の世界で五体満足のまま、死者のひとりも出すことなくやってこれたのは、ひとえに福岡の民の方々のお力添えあってのものです。他の土地でライヴをする機会もありましたが、そういった未知の地域にも非常に恐ろしい場所や人が多くありまして、果たして自分は、ちゃんと日本に住んでいるのか、自分は普通の、ちゃんとした地球に生きているのか、今までのいろいろな活動は幻なんじゃないのか、最近はそんなことばかり考えております。

-ツアーで共演している午前四時、朝焼けにツキは、音楽性も繋がる部分があると思いますが、その他に親交の深いバンドや、ライバルとして意識したり目標にしたりしてるバンドはいますか?

ウエノ:午前四時、朝焼けにツキは、プレ・リリース・ツアーのサポートをしてくれる前からお互いの存在は知っていて、音楽性が繋がっているかどうかは置いておいても、すごくいい音楽を作ってるバンドだと思います。ただ、どのバンドに対してもライバル視っていうのはないですね。目標にするバンドもいないです。僕らに大事なのは、何かを目指すことではなくて"僕ら5人で音楽を作ること"なので。親交が深いといえば、同じ地元 福岡の"彼女 IN THE DISPLAY"でしょうか? バンドの結成時から関わりもありますし、ヴォーカルのRyosukeとは僕が前身バンドのとき、お互い10代のころからの付き合いなので......。時々電話して近況報告をしてます。周りでは数少ない昔からの友達なので。ただ、みんな引きこもりがちなので、基本的にバンド単位での交友関係はかなり狭いと思います(笑)。

-今でもすでに実験的で挑戦的な音楽性の眩暈SIRENですが、さらに今後挑戦してみたいことや長期的な目標などあれば教えてください。

レイ:10年後も誰かが聴いてるような曲が作れたらいいな、と思います。

ウエノ:この5人で音楽を作り続けられたらそれが一番ですね。

-最後に、激ロックの読者へメッセージをお願いします。

ウエノ:今回の『六花』という作品は、踊りあり、メタルあり、スタジアムあり、王道あり、とにかくやりたい放題な作品です。その中で僕らの成長した部分を感じてもらえれば嬉しいです。また、MVを始めとしたアートワークも本当に素晴らしいです。僕らの楽曲以外の部分も含めてひとつの作品なので、余すことなく楽しんでもらえればいいなと思います。