－（笑）この曲はSatoshiさんも制作段階から関わられていたんですか？

Satoshi：曲自体はリーダーのKeijaが形にしていたので、それを弾くっていう感じですね。

Izo：もちろん相談の中には入ってましたけどね。こんな感じで作ってみたとか。

Satoshi：あとはやっぱり曲が速いところは大変でした。フレーズが難しいわけではないんですけど、リズム・パターンや曲調、グルーヴが変わったりするのを表現するのは難しかったですね。

Keija：弾いてることはすごくシンプルなんですけど、曲にグルーヴを出す感じとか。

Satoshi：弾き方ひとつで勢いが変わるというか。そういうところはVeiledでかなり気にしてますね。

Izo：それが一番表れたのが次の「Allure of Darkness」のような気がします。あれは最初に聴いたとき、ベースのドライヴ感がすごいあるなと思いましたね。

Keija：あれが結構ね、譜割りが変わるんですよ。なのでベースの役割がすごく重要になってくるんですけど、見事にやってくれました。

Satoshi：思考錯誤しながら録りました。おかげで手が痛くて痛くて（笑）。

Shin：Satoshiさんの右手の血管を見てると、いつか切れるんじゃないかと心配になりますよ（笑）。

Satoshi：右手でグルーヴをコントロールしているので。

－Keijaさんからもらったフレーズを自分なりにアレンジしていくってパターンですか？

Satoshi：いや、それはほとんどないですね。フレーズのアレンジはありませんが、ギター・リフやツーバスの連打に合わせたり、音の厚みや疾走感が出るようなリズムのベースを録ってみて、IzoやリーダーのKeijaに確認してもらってます。

Keija：でも3曲目の「Drizzly Rain」でのバラードちっくなフレーズとかは結構お任せしている箇所はあります。ベース的なフレーズが欲しいときは考えてもらいますね。それ以外の全部の楽器がアンサンブルとして重なる部分とかは、ベースのラインは僕が決めています。

－その「Drizzly Rain」について、SERPENT時代のデモ音源に収録されていたアルバム未収録曲をアレンジした曲とのことですが、今回なぜこれを入れようと？

Keija：正直なところ、最初に3曲あって残りのうち1曲目ができて、もう1曲何を作ろうかなと悩んでて。でも年末にリリースするってことだったんで、時間が全然なかったんですよ。

Izo：もともと3曲目にバラードを入れたいというのがあって。

Keija：で、バラードを書こうとしてたんですけど、時間の問題とその短時間でできあがる曲のクオリティを考えたときにリメイクした方が絶対いいものができるなと。それと"Lament"っていうミニ・アルバムのタイトルの雰囲気にも合ってると思いまして。

－他の4曲がほとんど疾走していて、このスローな曲調が作品の中ではかなりいいアクセントになっています。しかもワルツのリズムで。どのようなところを重点的にアレンジしていったのでしょうか？

Keija：全体的にだいぶ変えました。

Izo：やっぱりVeiledっぽくなったって言ったらいいんですかね。

Keija：SERPENTのときってパワー・コードがあってそこにメロディが乗ってたんですけど、Veiledになってからは間に――

Izo："ジャーン"ってコード一発のところが、"ズズチャズチャ"みたいな感じで、しかもそれを左右でちゃんとハモらせて。

Keija：結構細かいアレンジになってるんですよ。

Izo：レコーディングするまでに全部譜面に起こしてますからね。

－えー！？ それは凄まじいですね......。

Izo：いつでも出版できますよー。

一同：（笑）

Izo：Veiledのアレンジって、音域的に考えて全部埋まるような感じになってるんですよ。もちろんシンセ関係もそこに当たらないようにして。

Keija：そのへんのアレンジは綿密に考えてやっているので、昔と比べると音的にかなり分厚くなってます。

Izo：ギターも7本くらい同時に鳴っているときがありますね（笑）。

－この歌詞もShinさんのオリジナルなんでしょうか？

Shin：今回リメイクでやるって聞いて、ヴォーカルをまったく新しい感じに作りたいなと思って、あえてSERPENTの曲を聴かずに歌詞はゼロから書きました。で、レコーディングが終わったあとにSERPENTの曲を聴いたんですけど、違うイメージにできたかなと思いましたね。雰囲気を出すためにAメロは、デス声よりも囁くように静かな感じからだんだん盛り上げていくようにして。

Keija：曲を送ったら雰囲気をすぐに掴んでくれるんで、めちゃくちゃ早いんですよ。テンションの盛り上げ方とかも理解してくれるので。

Izo：やっぱシングルのときの経験もあると思います。

Shin：あのヴォーカルは結構気に入ってますね。

Izo：自分大好きですね。

一同：（笑）

Shin：そうなんです（笑）。