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INTERVIEW

LORDI

2016.11.07UPDATE

2016年11月号掲載

LORDI

Member:Mr. Lordi(Vo)

Interviewer:今谷 重治 Translator:安江 幸子

-Track.2「Let's Go Slaughter He-Man (I Wanna Be The Beast-Man In The Masters Of The Universe)」はキャッチーなキーボードのイントロから始まるLORDIらしさ全開の楽曲に仕上がっています。これはHellaが作曲で参加していますね。

そう、彼女がまず自分でキーボードのパートを書いて、それを中心に残りの部分を俺が書いていったんだ。

-この楽曲は、キーボードの音色に北欧らしさが宿っており、まさに80~90年代の雰囲気を醸し出す、あの時代の進化形のような懐かしくも新しい作品で、アルバムの冒頭を飾るにはとても相応しいと思います。どのようなイメージで作られたのでしょうか?

彼女があのリフを書いたときにどんなことを考えていたかはわからないけど(笑)、あのリフを持ってきてくれたときは一瞬のうちに80年代のヘア・メタルを思い出したよ。それでスーパー80sなものにしようと思って、そのイメージにプラスして他の部分を俺が書いたんだ。この部分はAメロ、この部分はBメロ、この部分はサビになるなって確信が早くもあったから、とても書きやすい曲だったよ。というか、あのリフから曲を作るとしたらその方法はたったひとつなんだ。それほど俺の中では80sな曲だったよ。ギターのAmenは、"ロッキー"(1976年公開の映画)のテーマに使われていても不思議じゃないって言ってたな。

-Track.3「Hug You Hardcore」はタイトルからして面白いですが、ここで歌っていることとは?

(笑)あれは......数を忘れてしまうくらい同じリフが何度も繰り返されているんだ。曲全体がリフみたいなものだよ。あと、歌詞はかなりダーティだね(笑)。俺の歌詞はいつもダーティだけど、今回はそのまんまなんだ。拳で肛門をファックするって内容なんだけど(笑)。

-(笑)この曲ではMVも制作されており、"Censored Version"と"Uncensored Version"の2バージョンが公開されています。"Uncensored Version"はかなりショッキングな映像が使用されていますよね。あれはそういうことを示唆していたんですか?

うーん、でも俺的には"Uncensored"ももっとエクストリームなものを期待していたんだけどね。ものすごく血まみれのグロいビデオを作りたかったんだ。

-たしかに血まみれでしたけど(笑)。

もちろん満足はしているけど、俺的にはちょっと物足りないなってがっかりしたよ(笑)。でもビデオを撮った監督が"これが自分にできる精一杯のエクストリーム表現です"なんて言っていたから、"わかったよ"って言ったんだ。

-それでもキャッチーな楽曲とのギャップが興味深いのですが、このビデオでは何を表現したかったのでしょうか?

うーん(笑)......まぁ、隠れたメッセージがあるわけじゃないんだけどね。曲は歌詞のまんまだし、歌詞が超自然的なものを扱っていないのに超自然的なビデオを作るのもどうかと思ってさ。監督と話したのは、ホラーのひとつのサブジャンルであるスプラッシュもの(※殺害シーンなどを生々しく描写したもの)の路線でいこうってことだった。俺たちモンスターだしね(笑)。

-ManaとAmenが作曲に関わったTrack.5「Mary Is Dead」では、ピアノの音色などがアメリカのSAVATAGEをも彷彿させる、壮大な楽曲になっていると思います。

そう、この曲はManaとAmenもスタジオで一緒にライティングやセッションをやってね。テンポはもともと今より速かったんだけど、Manaが"もっと速度を落としてやろうぜ"と提案してきたんだ。それでできる限りスロー・ダウンしてみたら、70年代のBLACK SABBATHが80年代のAlice Cooperに出会ったかのような音になったんだ。この曲はまったく違う視点から書いた曲だから面白かったね。俺たちの曲はたいてい俺が書くか、誰かが書いたリフに俺が肉づけするような感じなんだけど、これは3人で一緒に書いたんだ。コーラス部分を聴いてもらえれば、ベース・ラインもいつもと違うことがわかると思うよ。もし俺じゃなくて他の人が歌ったら、全然LORDIっぽくない曲に聞こえるんじゃないかな。

-Track.8「SCG VIII : Opening Scene」は映画的なピアノが印象的で、ここからさらに深い世界が広がっていくんだろうなと思わせる流れですが、畳み掛けるようにTrack.9「Demonarchy」でいきなりスピーディ且つヘヴィなリフがハイテンションで刻み込まれます。この展開の仕方にハッとさせられますが、ここでの狙いはなんでしょうか?

最初は「SCG VIII : Opening Scene」も「Demonarchy」の一部だったけど、あまりに尺が長くなってしまったから2曲に分けたんだ。よく覚えていないけど、8、9分はあったんじゃないかな。

-本当に"イントロ"だったんですね。

そういうことだね。

-実はこれ以降の楽曲はどれも5分以上の尺となっておりますが、そこで意図したことはありますか?

コンセプトのあるストーリー仕立てになっていたからね。曲の選び方なんかも前半とはまったく違ったんだ。LORDIのアルバムに入れる曲はいつも、いいリフがあるか、いいヴァースがあるか、いいコーラスのメロディがあるか、とかそんな感じで考えるから決めるのが楽なんだ。でも今度は6つの曲にまたがるストーリーを伝えなければならない。だから曲も必然的に長くなるし、ずっと複雑になるし、様々なパートに分かれているんだ。かなり大変だったけどとても楽しかったし、満足できたよ。思ったよりもずっと手間がかかるものだったけどね。