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INTERVIEW

LORDI

2016.11.07UPDATE

2016年11月号掲載

LORDI

メンバー:Mr. Lordi(Vo)

インタビュアー:今谷 重治 Translator:安江 幸子

-新たなメンバー、Hella(Key)とMana(Dr)が2012年に加入して以降、2013年には6thアルバム『To Beast Or Not To Beast』、2014年には7thアルバム『Scare Force One』と順調にリリースを続け、今回2年ぶりの新作『Monstereophonic(Theaterror vs. Demonarchy)』をリリースされました。ここまでハイペースで作品を作り続けてこられてるのは、やはりバンドとして今、かなり充実しているということなのでしょうか?

そのとおりだよ。ただ、それはHellaとManaの加入がもたらしたものかどうかはわからないけどね。でも『To Beast Or Not To Beast』を制作していたころからだったかな? こんなにコンスタントに曲を書いていられるんだったら、リリースしてくれるレーベルがあって、スケジュールさえうまく調整できれば作品を早くリリースしない手はないだろうって思うようになった(笑)。待つなんて無駄だってね。

-でもHellaとManaはたくさんのことをバンドにもたらしてくれたんですよね?

そりゃもちろんさ。相性的にも間違いない。それに、バンド内のムードは今が過去最高にいいんだ。内部のネガティヴな摩擦も一切ないし、すべてが実にスムーズに進んでいるよ。それはHellaとManaによるものが大きいな。彼女たちとは俺もAmen(Gt)もOx(Ba)もとても気が合ってるよ。たまには喧嘩もするけどね。

-バンド内にそういう雰囲気があるのはとても重要なことだと実感しているのではないですか?

そのとおりだよ。長年の間にメンバー・チェンジがたくさんあったからね。でも、リリースしたアルバムの枚数で言うとこのラインナップが一番多いんだってさ。"本当に?"と思ったけどね(笑)。

-今回のマスクや衣装はそれぞれ何をモチーフに制作されているのでしょうか?

今作は俺たち的にスプリット・アルバムみたいな位置づけなんだ。それでマスクや衣装も二面性のあるものにした。俺やAmenのマスクではあまりわからないと思うけど、HellaやOxのマスクを見てくれれば、はっきりとふたつの面に分かれていることがわかるよ。俺の場合は衣装の方が二面性がある感じかな。うまく説明できないけど、どのキャラクターも同じコンセプトで作っているよ。

-今の体制になってから3作目ですが、今作は『To Beast Or Not To Beast』、『Scare Force One』と比べて、バンドにとってどのような進化がありましたか?

"ものすごい進化があった"と言えるね。今は、昔みたいなストレスはあまりない気がする。駆け出しの青二才のころは、"このバンドは長続きするのか?"、"俺たちは成功できるのか?"と、いつも将来の不安を抱えていたよ。今はもっとゆったり構えているし、自信もついてきた。音楽的な意味でも、慣れていることをやりつつも新しいことにチャレンジできるというところでは、今の方が自信あるね。今回のアルバムがいい例だ。歳取って知恵がついたのかな(笑)。

-ちなみに先ほど"スプリット・アルバム"という話が出ましたが、タイトルについている"Theaterror vs. Demonarchy"にはどのような意味があるのでしょうか?

"Theaterror"の方はクラシックLORDIというか、俺たちの王道/定番みたいな感じの曲が中心になっていて、メロディックなハード・ロックだったり、ヘヴィ・メタルだったりする。1曲が3、4分くらいの長さでね。LORDIのサウンドを知っている人たちにとっては期待どおりの音なんじゃないかな。"Demonarchy"の方は今まで見せたことのなかった俺たち。全体的にコンセプチュアルで、ひとつのストーリーを描いているんだ。"Theaterror"よりはもうちょっと複雑で、プログレッシヴで、モダン・メタルの要素がある。実は俺自身にとって、そういう曲はキャリアが始まって以来ずっと書いてきたから、まったく目新しいものじゃないんだけどね。でも作品としてリリースしたことはなかったんだ。で、そういう二面性のあるアルバムにしたのは、そうすればすべてが間違っていることにはならないと思ったからなんだ。昔ながらの俺たちと、ファンにとって目新しい俺たちが共存している。今のところ反応は上々で、みんな気に入ってくれているみたいだね。もちろんリリースするまではそれほどの確信は持てなかったけど。新しいものだけで1枚のアルバムを作る自信がなかったんだ(笑)。というか、作りたくなかったんだよね。"LORDIのスタイルが今後こういうふうに変わることを示唆しているのか?"と聞かれたけど、変わるとはいえそれだけじゃないから。ただ、人々が"Demonarchy"の方を受け入れてくれたことは大きいね。今までよりも多彩なことができるという意味では、ソングライターとしての俺にとって、将来的に大きな手助けになってくれると思うから。そういう曲を作ってデモを録った時点で、アルバムには入らないだろうってわかっているのはフラストレーションだったし。

-つまり、"Demonarchy"の曲のアイディアやストーリーなどは長い間あたためていたもので、今回初めて外に出てきたということですね。たしかに今までとは違う感じがしますが、それでいてアルバムの前半から後半への流れはスムーズですね。

そうだね。

-前作ではNIGHTWISHやCHILDREN OF BODOM、STRATOVARIUSなどフィンランドでも人気の高いバンドを手掛けたプロデューサー Mikko Karmilaを起用していますが、今作は誰がプロデューサーとして起用されているのでしょうか?

実は今回もMikkoと組むはずだったんだ。スケジュールも押さえてスタジオも予約したんだけど、セッションが始まる数週間前に俺の親父が亡くなってしまって、スケジュールが全部変わってしまって。去年のことだった。スタジオの予約も白紙になって、Mikkoともスケジュールが合わなくなってしまったんだ。クリスマスも新年もあったから、合計で9週間くらいずれ込んでしまってね。アルバムの発売日も、当初は5月だったところをずらしたんだ。結局ヨーロッパでは9月に出たんだけどね。それで、2008年に『Deadache』(4thアルバム)をプロデュースしてくれたNino(Laurenne)に声を掛けたら、ラッキーなことにスケジュールが空いてて。

-それは大変でしたね。でもそういう悲しいことや予期せぬことのあとにいいことが起こって良かったです。彼はTrack.1「SCG8 : One Message Waiting」も一緒に書いたのでしょうか?

実はNinoがクレジットされていると言ってもとても短い曲だから、いろいろ一緒にやったわけじゃないんだ。ナレーションを担当したRalph(Ruiz)がセリフも作って、俺がアイディアを担当して、Ninoは1音だけ作ってくれた(笑)。曲っていう感じの曲じゃないから、クレジットを入れるのもどうかと思ったけどね(笑)。

-「SCG8 : One Message Waiting」は今作へのイントロダクション的な役割を担っています。この"SCG"というタイトルは2006年リリースの3rdアルバム『The Arockalypse』より(『To Beast Or Not To Beast』を除き)どの作品にも1曲目に使われて番号が更新されてますが、ここに込められた意味とは?

『To Beast Or Not To Beast』のときは最後の曲だったけどね。実は"SCG"というのは、1stアルバム(2002年リリースの『Get Heavy』)の1曲目「Scarctic Circle Gathering」の略なんだ。そこから始まっていて、その後は"SCG"と略してナンバリングされている。俺は劇的なイントロダクションをアルバムに入れるのが大好きでね。KISSの『Destroyer』(1976年リリースの4thアルバム)や、W.A.S.P.の『Inside The Electric Circus』(1986年リリースの3rdアルバム)もそうだった。KING DIAMONDのアルバムもそういうところがあるよね。イントロダクションがあった方が、アルバム全体がもっとクールになるような気がするんだ。