INTERVIEW
But by Fall
2016.08.19UPDATE
2016年08月号掲載
Member:Kento(Vo/Gt) Kazuya(Gt/Vo) Akkie(Ba) Tatsuya(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-今作の表題曲「Into the Sky」(Track.3)という曲に"握りこぶしをかざし歌うようなメロディー"、"声を枯らして友に贈るようなメロディー"という歌詞がありますけど、まさにそんな内容ですね。聴き手とひとつになろう! と欲するエネルギーに満ち溢れたいい作品になりましたね。
Kento:今回は特にエネルギッシュな作品にしようと考えてました。歳を重ねるにつれ、落ち着く人たちもいるけど、勢いを失うのは嫌ですからね。あえてエネルギッシュな曲を選びました。
Kazuya:ただ、それがラウド、メロコアという方向ではなく、Kentoのきれいな歌声を活かして、サウンド的には壮大な感じで作ることを制作段階で話し合いました。Track.4「Welcome to My Broken Heart」のMVが公開されたときに"こう来たか!"といい意味で期待を裏切れるんじゃないかという実験感はありますね。
Tatsuya:今までの作品の中でも手応えはあります。過去、制作してきた中で一番一生懸命やりました!
-誤解を招きそうな発言ですが(笑)。
Tatsuya:不真面目にやっていたわけじゃないけど、より1曲ずつメンバーの歌うものや弾くものに関心を持って、真剣に向き合えたんですよ。
Kento:だから、どれをリード曲にするのか迷いました。みんなこれがいい! と思うものが違いましたからね。
"メロコア・バンド"ではなく、もっと広い意味で"ロック・バンド"として取り組んでいこうという意識になりました
-えぇ、全曲クオリティが高いと思います。前作『Believers' War』(2015年リリースの2ndミニ・アルバム)以降、ツアーもたくさんやっていましたが、そこで見えてきたものはありますか?
Kento:ライヴをやりながら、いろいろ課題が見えたので、ツアー・ファイナルの1週間後に今作のミーティングに入ったんです。前作はきれいな作りだったかなと思うところもあったので、今作を作るうえではライヴが指標になりましたね。
Kazuya:メロコア・バンドとしてキャリアを5、6年重ねてきたけど、前作のときに楽曲の幅を広げたかったんです。日本語を増やして、サウンド的にメロコアじゃないものを取り入れた結果、中途半端だった部分もまだあったのかなと今、思います。新しいことをやるなら、もっとやらなきゃいけないなと、今回はさらに踏み込みました。僕らの意識も"メロコア・バンド"ではなく、もっと広い意味で"ロック・バンド"として取り組んでいこうという意識になりました。
Kento:ライヴでやってみないと、曲の性格はわからないから今回は新曲もライヴで試して、今の形になりました。
-Akkieさんはどうですか?
Akkie:僕的には初めてアニメ・ソング(TVアニメ"デュエル・マスターズVSRF"エンディング曲Track.5「Stronger」)をやらせてもらったので、それが何より嬉しいですね。夢のひとつでしたからね。
-では、前作のツアー中に具体的に気づいたことは?
Kazuya:単純に盛り上がりの種類はモッシュ、ダイヴ、サークル・ピット、それだけじゃないなと。日本でスタジアムを埋めるようなバンドは、お客さんは席に座っているわけで、モッシュやダイブはできないけど、手を上げたり、みんなでひとつのメロディを歌い上げるじゃないですか。そこを目指そうと。
Kento:前作はまだそこがわかってなくて。今だから言えるけど、過酷なツアーでしたね。どうやって盛り上げればいいか悩みました。
-何が過酷だったんですか?
Tatsuya:いざステージでやっても、伝わってるか伝わっていないのか、よくわからなくて。
Kento:それでメンバー間の雰囲気も悪くなりましたからね。自分がお客さんの立場だったとしても、ノリ方がわからなかっただろうなと。今回はプリプロの段階で"ここでジャンプしてくれ!"とイメージして作りました。前作はみんなで歌うパートもなかったんですけど、みんなで歌うこともライヴ感として必要かなと。
-今作はシンガロング系のコーラスもふんだんに入ってますね。
Kento:大勢で歌う光景って、鳥肌が立ちますからね。それは小さなライヴハウスでもできるから。
-実際はライヴハウスでやることが多いと思うんですが、なぜそこでスタジアム・ロック的なアプローチを目指そうと?
Kazuya:最初からスタジアムをイメージしてやってるバンドは少ないですし、But by Fallの新しいオリジナルのひとつとして、壮大なコーラスを入れようということになりました。
Kento:スタジアムを意識するのは、バンドを組み始めたころからあったんですよ。ライヴの音作りでもPAさんに"スタジアムみたいな感じで!"と言ってましたからね(笑)。"でかいステージが似合うバンドだね"と言われるような音作りや照明は考えてました。それを作品として出せたのが今回かなと。