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INTERVIEW

THE QEMISTS

2016.02.13UPDATE

2016年02月号掲載

THE QEMISTS

Member:Liam Black(Gt) Dan Arnold(Ba) Leon Harris(Dr)

Interviewer:KAORU

-すでに公開されているTrack.3「Run You」は、映画"ターミネーター:新起動/ジェニシス"(2015年公開)のワールド・トレーラーに使用されていますが、映画の雰囲気と曲がとてもマッチしていると思います。「Run You」が起用されたと聞いて、どんな気持ちでしたか? ちなみに"ターミネーター"シリーズは好きですか?

Leon:KORNのときと同様、光栄に思ったよな?

Dan:俺たちがそのトレーラーを初めて観たのは、Arnold SchwarzeneggerのFacebookだった。彼が自身のFacebookにトレーラーを載せたんだ。

Leon:KORNのようなバンドを聴いて育ったと話したけど、俺たちは"ターミネーター"シリーズを観て育った世代でもある。"ターミネーター2"(1991年公開)が上映されたときに、ちょうど18禁の映画が観れるくらいになったんだ。

Liam:当時の史上最高の映画だったね!

Leon:俺は昔からSchwarzeneggerの大ファンだったから、彼自身が曲を選んでトレーラーに使ってくれたのはすごく光栄なことだった! たしかに、このトレーラーと映画の雰囲気と曲はマッチしていると思う。「Run You」のビデオを作ったときも、"ターミネーター"と同じような宇宙っぽいSFの感じのトーンにしたいと思ったんだ。

-これまでのTHE QEMISTSは、CDから音を出した瞬間にガツーン!とくる衝動的な爆発力が大きな魅力のひとつでしたが、本作ではハイエナジーな魅力はそのままに、アクセントの置き方など含め静と動のコントラストが熟練され、その結果フックがさらに強靭になっていると感じました。そのあたりは意識的に工夫したところでしょうか?

Liam:ソングライティングに時間をかけた結果、そうなったと思うから、たしかに意識的な工夫があったと思う。

Dan:ダイナミクスはソングライティングにおける重要な要素だ。音楽にはコントラストが必要だから、アッパーな瞬間だけでは成り立たない――"静"の要素や、静かに語る人などを入れてコントラストを利かせなければいけないんだ。そうすることによって、人はより楽曲に対して真剣に耳を傾けてくれる。

-シンセの取り入れ方が格段にモダンになっていて、EDM以降の時代を感じさせると同時に、感情豊かで雄弁なメロディがとても引き立っていますね。ギターやベースのメロディとの混ざり合い方も素晴らしいですし。シンセのアイディアは、作品に大きなインスピレーションを与えましたか? それともあとづけで足したのでしょうか?

Leon:俺たちはシンセをたくさん使うし、俺たちのサウンドの要のひとつとなっている。今回のアルバムでは、シンセの音と、ギターやベースといった生のサウンドを、よりシームレスに統合したかったんだ。それと同時に、個別のパートが際立つようにもしたかった。俺たちはEDMサウンドにも影響を受けているけど、エレクトロニックの要素とアナログの要素が溶け合うことは今回とても重要なことだった。君のコメントを聞くと、今回の俺たちの試みは成功したように思うよ。

Liam:俺の場合、シンセ・リフを考えずにギター・リフを書くということはない。すべてのパートが同時に作られていくというプロセスなんだ。ギター・パートができたからそこにシンセを加えよう、というのではなく、ギターとシンセのパートを同時に書いてるんだよ。

Leon:ギターと同様にドラム・パートを書くときもそうだった。そのおかげで、アルバムが完成するのに5年もかかっちまった! EDMはシンセをものすごく進化させたと思う。それはそれで最高なことで、俺たちもその進化を楽しんでいた。でも、俺たち自身がEDMと同じスタイルで曲を書くということはできなかったんだ。俺たちはギターが好きだし、ライヴで演奏するのも好きだから。ギターをどのように使えば、今俺たちが作っているようなダンス・ミュージックが作れるのかということを習得するのにとても時間がかかった。だけど、俺たちが習得した新しいテクニックを使うことによって今回のアルバムができ上がったんだ。

-本作もバラエティに富んだリズムですね。例えばTrack.9「Let It Burn」はBPM130で四つ打ちにしてもはまりそうな曲ですが、シンセ以外は逆にロック感を強調しているように聴こえます。これは意図的にそうしたのですか?

Dan:もちろんだよ! とても的確な表現だね。俺たちは様々なビートを扱うのが好きだ。ハウス・ミュージックのような四つ打ちまではいかないけど、先ほども言ったように、俺たちが大切にしているのはリスナーが踊れる音楽を作ることで、ただ立って聴くだけの音楽は作りたくない。だから踊れそうなビートをいろいろ使って曲を作るようにしている。

Liam:テクノ界には、俺たちがインスパイアされるような四つ打ちサウンドの音楽を作るアーティストもいる。俺たちはテクノヘッドやハウスヘッドではないけれど、GESAFFELSTEINの「Pursuit」(2013年リリースのデビュー・アルバム『Aleph』収録)という曲はマジで最高だった! 四つ打ちでシンセティックなんだけど、基盤にはロック感が出ている。だから、俺たちの曲でもそういうサウンドにリンクするものはあると思う。