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INTERVIEW

THE QEMISTS

2016.02.13UPDATE

2016年02月号掲載

THE QEMISTS

Member:Liam Black(Gt) Dan Arnold(Ba) Leon Harris(Dr)

Interviewer:KAORU

-Oliverは、いつごろから、どのような経緯で参加することになったのでしょうか? また、彼に惹かれた理由を教えてください。とてもロック・ミュージシャン然としていて、直情的で熱い歌を聴かせてくれますね。

Liam:Oliverはソングライター、そしてリリシストとして曲を書くことができる。それが、彼がバンドに加わることになった大きな理由だ。彼は以前もいろいろなバンドに参加していて、別のロック・バンドにも所属していた。だからギグやライヴ、ツアーにも慣れていて、俺たちにとってはぴったりの人材だったんだ。『Warrior Sound』は正式メンバーが5人になってから初めてのアルバムだ。それまでは、Dan、Leon、Liamの俺たち3人をメインに、MattやBruno(Balanta)をヴォーカルに招いてライヴを行っていた。そのやり方に疑問を感じ始めたことから、俺たちはOliverを加えて5人体制のバンドとして基盤を固めた。彼はTHE QEMISTSにぴったりだし、素晴らしい才能の持ち主だ。彼をメンバーに迎えることができてとても嬉しいよ。

-これでTHE QEMISTSは正式に5人のメンバーになりましたね。Brunoは初期からツアーに参加していましたし、自然な流れで正式なメンバーとなったのでしょうか?

Dan:Brunoが今まで正式なメンバーでなかったというわけではないんだけど、今回のアルバム制作において、彼はこれまで以上にに素晴らしい仕事をしてくれた。このアルバムを聴くと彼からの影響も強く表れていることがわかる。俺たちがバンドとして一丸となったということが、アルバムからもわかるし、ライヴからも伝わると思う。俺たちはファミリーになったんだ。

-BrunoとOliverの正式加入によって、音にもバンド感が前面に出ていますが、実際に作曲のプロセスにおいて、3人体制のときと大きく変わった部分はありましたか?

Leon:今回はソングライティングの部分により注力していたと思う。以前は、楽器や楽曲のミックスなど、サウンド・プロダクションのみに力を入れていたんだ。もちろんプロダクションはアルバム制作において必要な要素だ。でも、オーディエンスに対して直に心から訴えるものがなければ、プロダクションだけでは限界がある。だから今回、ソングライティングはアルバム制作のうえで非常に重要な部分だったんだ。そこを強化するために、今回も様々なアーティストに参加してもらったり、Oliverが彼らと一緒に曲を作ったりしているんだけどね。そうすることによって、統一感のない曲がごちゃまぜに入っているアルバムではなく、より豊かで一貫性を持った作品になっていると思う。

-『Warrior Sound』は、今の時代だからこそ新鮮でもあり、普遍的なアーティスト精神やパンク・スピリットを感じる、衝撃的な素晴らしい作品ですね。"Warrior Sound"というタイトルに込められた意味について教えてください。

Leon:素晴らしい感想をありがとう! そういう感想を持ってくれて嬉しいよ。"Warrior Sound"という言葉は、RAGE AGAINST THE MACHINEの曲にある表現なんだ。彼らは俺たちが強く影響を受けたバンドのひとつだから、その表現にインスパイアされたというか、その表現を借りてアルバムのタイトルにしたんだ(笑)。アルバムの雰囲気としても、自分の信念のために立ち向かうことや、少なくとも自分の信念を他の人によって曲げられないように抵抗するということを表現している。アグレッシヴなアルバムではないけれど、自分の信念を守るというスタンス――それが"Warrior=戦士"の由来だ。アルバムのジャケットには、揺るがない立場や信念のメタファーとして心臓の絵が描かれている。

-では、今回のサウンドの方向性はどのように決まっていきましたか?

Liam:『Warrior Sound』は作るのにかなり時間がかかったし、あるべきサウンドを求めて進むためには様々なことがあった。アルバムの方向性を考えていくつか曲を作ったあと、それが間違った方向性だということに気づいて、さらに別の方向性を持った曲をいくつか作るっていうプロセスを繰り返したんだ。最終的に、あるひとつの曲ができ上がり、それがスタート地点のようなものになった。その曲ができ上がったとき、"このアルバムはこんなふうに聴こえるべきなんだ!"と気づいたんだよ。その曲を軸としてアルバムを完成させるべきだということに気づいてから、残りの部分を作り上げていくことができたんだ。

Dan:パワフルな曲はだいたい感情について歌っていた。そういう方向性の曲が最終的にアルバムに残ったのさ。実験的な曲もあったけど、そういう曲は少し薄っぺらいと感じたんだ。ダンス・トラックには、表面的で浅薄な印象を受けるものもあると思う。でもこのアルバムは、そういうサウンドにしたくなかった。世界では今、本当にいろいろなことが起こっていて、ヴォーカリストはそれらのことについて曲を書くことができる。俺たちがアルバムを作っているときに感じていたことが、アルバムを聴いた人にも伝わってくれたら嬉しいよ。

Liam:俺たちのライヴを観に来ればわかるけど、俺たちにはパーティー的な要素ももちろんある。アルバムはシリアスに、そして内向的になりすぎないように、パーティーの要素も残して、みんなが楽しめるように作られている。ライヴに来て音楽を聴いてパーティーする――そんなにシリアスにならなくてもいいから、心配事は忘れて俺たちと一緒にパーティーして楽しめばいいのさ。

Dan:アグレッシヴで鬱になりそうなアルバムでは決してない。信念について語るということは、情熱的なことで、ポジティヴで楽しいことだからね。