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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

THE QEMISTS

2016.12.02UPDATE

THE QEMISTS

Member:Leon Harris(Dr)

-現編成で初のアルバムとなった『Warrior Sound』(2016年2月リリースの3rdアルバム)の完成から1年近くが経ちました。今振り返ってみて、あのアルバムはみなさんにとってどんな意味を持つ作品でしたか?

あのアルバムでは、シングルとなった「Run You」に対するみんなからのリアクションが気になっていたんだ。新しく加入したOli(Oliver Simmons/Vo)は独特の声を持っているし、自分たちでもあの曲がどう受け入れられるか想像がつかなかった。そこでYouTubeにアップしてみたら、すごく反応が良くて自分たちでもビックリしたんだ。それがあってこそ日本でショーもできたし、ライヴでは新曲の歌詞を覚えているファンもいた。スタートが良くて、俺たち自身もすごく気に入っているんだ。あのアルバムのおかげでショーが本当に盛り上がるから、ライヴではすごく機能していると思う。そして、あのアルバムへのリアクションがすごく良かったからこそ、あれだけのツアーをやることができたんだ。

-4月には初の単独ジャパン・ツアー"激ロック presents THE QEMISTS JAPAN TOUR 2016"も実現。特に思い出に残っていることは?

長く活動してきているけど、新しい経験はまだまだある。日本での単独公演はそのひとつだったんだ。あのショーは、これまでやってきたショーの中で一番良かったと言っても過言ではない。あれが今までのなかで一番大きいステージというわけではないのに、あのショーの中で何かが生まれていてすごく良かったからね。オーディエンスの反応も本当に良くて、照明も良かったし、CrossfaithのKen(Koie/Vo)も出演してくれた。「Anger」(※Koie参加曲)をショーでプレイしたのは、あのときが初めてだったんだ。あのショーではすべてが完璧だった。4月の来日は、本当に素晴らしい経験になったね。また日本でプレイするのが待ちきれないよ。

-ヴォーカリストとしてのKoieさんの魅力はなんですか?

Crossfaithは、メンバー全員がそれぞれに素晴らしい。エゴがなくて、メンバーそれぞれがスターになるためではなく、グループのために頑張っているんだ。最初にKenに会ったのはイギリスで、彼が俺たちのスタジオにやってきた。彼の声を聴いた瞬間、特別なものを感じたんだ。そして、彼はその声を自在にコントロールできる。つまり、この曲のタイトルにもあるとおり"怒り"を的確に表現できる力を持っていたんだよ。彼の場合は英語が第一言語ではないけれど、歌詞がハッキリと聞こえる必要もなかった。イギリスで起こっていることに対する怒りやフラストレーションを、声で上手く表現することができるヴォーカリストだからね。彼の声からは、フィーリングやパッションを感じ取ることができる。だからコラボレーションはうまくいったと思うよ。

-今回のEP『Warrior Soundsystem』はどのような経緯で制作が決まったのでしょうか?

『Warrior Sound』を制作するうえでは、本当にたくさんの研究をしたし、時間と労力を費やして多くのことを学んだんだ。だから、アルバムを完成させたあとにあまり間を空けずまたスタジオに入って、その知識を活かしてもっとトラックを作りたいと思った。同時に、そこからさらに実験的なことも試してみたくてね。それであのときの勢いをキープして、さらなる作品の制作に取り掛かったんだ。その流れでもうひとつ生まれたアイディアが、今までに試したことのない"カバー"だった。ダンス・ミュージックのプロデューサーもやっているからリミックスは何度もやったことがあったけど、カバーはそれとは違う。オリジナル曲とまったく同じものを自分のサウンドでプレイするというのは、俺たちにとっては新たな経験だったんだ。そのためには、自分自身のサウンドに対して相当心地よいと思えなきゃいけないと思うんだけど、今はそう思えているから、今回はカバーに挑戦してみることにした。で、できあがったものはやはりリリースしたいから、このEPに収録したんだよ。

-今作では一緒にツアーを回った経験のあるKORNの1994年リリースのデビュー・アルバム『Korn』収録曲「Blind」をカバー(※Track.2)しています。なぜKORNをカバーしようと思ったのか、そしてこの曲を選んだのか、理由を教えてください。

俺たちはみんなKORNから多大な影響を受けている。KORNのサウンドは、他のバンドとは違う特別なものを持っているからね。自分たちのアイドルと呼べる存在の彼らと一緒にツアーを回れたのは素晴らしかったし、彼らとはエナジーやパッションが似ていたから、よくロック・バンドのプロデュースの仕方についてを語り合ったりもしたんだ。それもあって、KORNの曲っていうのは常に俺の頭の中にあった。それで、イギリスの"Metal Hammer"っていう雑誌から無料でリリースするCDのためにカバーをやってくれないかと頼まれて、KORNの「Blind」をやることにしたんだ(※Metal Hammer30周年記念号付属CD収録)。「Blind」は伝説的なトラックだし、やってみるまで自分たちにあの曲がカバーできるか見当もつかなかったけどね。でも実際にギター・サウンドとベース・サウンドをミックスすると、超ヘヴィなサウンドが生まれた。そこにOliのヴォーカルが入って、さらに素晴らしいものができあがったんだ。彼が自分自身のスタイルを持ち込んだのはすごく良かったと思う。途中でBruno(Balanta/Vo)のオリジナルのラップも入るしね。