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INTERVIEW

WANIMA

2015.11.05UPDATE

2015年11月号掲載

WANIMA

Member:松本 健太(Vo/Ba) 西田 光真(Gt/Cho) 藤原 弘樹(Dr/Cho)

Interviewer:西廣 智一

-なるほど。ツアーをしながらレコーディングをしているからか、このアルバムを聴いたときに感じる演奏の熱量やドライヴ感が、普段のWANIMAのライヴに近いんですよ。

藤原:それはあるかもしれないです。

-西田君はギターでリフやメイン・フレーズを奏でるわけですが、曲作りで強く意識したことはありましたか?

西田:イントロやアウトロ、間奏に関しては難しいことをするよりも、簡単で口ずさめるフレーズを心がけました。それも曲の一部なんで、誰が聴いても一度で覚えてもらえるようなフレーズを意識してます。てか難しいことができません。

-たしかにどの曲もまずイントロで耳を惹きつけられたし、さらに松本君の歌が入ってくると今度は言葉で惹きつけられるんですよね。そういえばWANIMAの楽曲ってどれも、とてもコンパクトにまとめられてますよね。

松本:それは曲がシンプルってことですか?

-シンプルっていうのもあるし、どの曲も長さが2~3分にまとめられてるというのもあります。中にはTrack.1「ここから」みたいに1分10秒ほどの曲もあるし。この曲の長さっていうのは、意図的なものなんですか?

松本:意図的というか......長いとムズムズしちゃいません? 俺は曲が長いとムズムズしちゃってダメなんです(笑)。だからなのか、無駄なところをどんどん削って短くしちゃうんです。タイム感が大体こんなもんやというのは、感覚的にあるんだと思います。

-その2~3分の曲で松本君が歌いたいこと、伝えたいことを歌詞にしているわけですよね。今作の歌詞ですが、叙情的なものもあれば強い意思表明と受け取れるものもあります。それに歌の"歌詞"というよりも、"詩"として成立しているものが特に多い気がして。歌詞だけを読んでいると、この人は自分に対してすごく正直な人なんだろうなと感じました。

松本:ありがとうございます! 歌詞を作るときもメロディを作るときも、ちゃんと"自分自身と向き合う"というのと"正直に書く"っていうのは心がけていて。俺らはカッコつけてもカッコつかないバンドなので、上から目線で歌詞を書きたくなかったし、同じこの時代を生きとる人に対して同じ目線で歌って生きたいです。

-WANIMAのライヴに来ているお客さんだけではなく、すべての生きとし生けるものに対して歌いたいと。今作で特に気になったのがTrack.4「Japanese Pride」。楽曲的には2000年以降のパンクとヒップホップがミックスされたスタイルで、そこに強い意思が感じられる歌詞が乗るという。

松本:この曲についてはよく質問されます。今までのWANIMAになかったスタイルの曲です。なんか懐かしくないですか? AIR JAM世代じゃないですけど、あのころの雰囲気がありますよね。

-ああ、わかります。そんな曲調になぜこのような強い意思表示の歌詞を乗せたんですか?

松本:やっぱり日本人には海外の人にはない、日本人ならではの良さがあるので。そこをいろいろ感じたときに作ったんです。それをよりポップな音に乗せてみんなで大合唱できたらいいなというのがあったので。

-"いろいろ感じた"というのは?

松本:どのタイミングでも日本人が肩身の狭い思いをしとる気がしたんです、生活のうえでもいろいろ。なんだろう......俺たちはどんなタイミングでも、もっと堂々としていいんじゃないかと。日本人にはいざというときに団結するという素晴らしい国民性もありますし、そういうことをよりポップに表現したかったんです。で、いざ表現しようとしたときに、自分の中で見えたヴィジョンが......俺らが影響を受けたHi-STANDARDが作ってきたシーンのことだったわけです。

-なるほど。それで歌詞に"Hi-STANDARD"が登場すると。他にもレゲエやパンク、ヒップホップ、R&Bといったジャンルが出てきますが?

松本:全部海外から入ってきたものなんですけど、日本人がやるヒップホップ、R&B、ロックって日本人にしか出せない良さが絶対にあると思っていて。

-それで言ったら、WANIMAの音も日本人だからこそ出せる音ですよね。そんなWANIMAから見て、今のロック・シーン、パンク・シーンはどう映りますか?

松本:日本は海外に比べたら自由といえば自由ですけど、音楽の本当の在り方みたいなのはちょっと違うのかなという気はします。昔と比べたらいろいろ変わってきてるんじゃないかなと。今はTwitterとかいろんな情報発信手段が増えたのもあって、情報が溢れてます。でもやっぱり影響を与え続けてる人やシーンを盛り上げてる人というのは本気やし、ちゃんと考えてますし、先のヴィジョンも考えていてチャンスを無駄にせず、繋がりを大切にしてる方ばかりで。そういう方たちを見てると、俺らはカッコつけずに、純粋に音楽をやらないと失礼だと思いました。ステージの上と客席とでは目線の高さも温度感も違うかもしれんけど、そこをより近づけて同じ方向に進みたいです。

-それは藤原君も一緒?

藤原:そうですね。特に歌詞においても、メロコアだったら英語詞じゃなきゃダメとかいう空気感があったと思いますが、そういうことにとらわれずに僕たちらしくやれてるかなと思います。