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INTERVIEW

BULL ZEICHEN 88

2015.10.06UPDATE

2015年10月号掲載

BULL ZEICHEN 88

Member:栄二郎(Vo) IKUO(Ba)

Interviewer:沖 さやこ

-そうだったんですか。バンドの歴史が始まった楽曲なんですね。

IKUO:それをリアレンジして今回形にして。やっぱり、ひとつの形にしたかったんですよね。みんなの手元に持ってて欲しくて。

栄二郎:ブルハチで1番ピュアなソングじゃないですかね(笑)。

IKUO:難しいこと一切やってないんですよ。複雑なものも速弾きも何もない。あえてそういうことをしなかったんです。そういう曲はBULL ZEICHENでは初めてかもしれない。こういう曲ばかりになると、もわっとしちゃうけど(笑)、複雑なものたちの中に正反対なものがあると、それが曲の個性にもなるなと。

-ブルハチの曲はどれもオケが激しくてもメロディがキャッチーで歌心はありますが、「Remember」はオケがシンプルなこともあって、3曲の中では最も歌ものの曲だとも思います。

IKUO:BULL ZEICHENの曲はどれもアコースティック・アレンジでも成り立つメロディを目指してるので。J-ROCKをやっている以上、そこは重要視してますね。

栄二郎:歌詞は結成から3、4年したときに僕が書いたもので、メンバーと出会ったことをそのままストレートに書いただけなんですよ。正直クサいんですけど(笑)。

IKUO:"これからバンド一生懸命頑張ろう!"という、ピュアな栄二郎少年そのものですね。「Remember」を音源化したことで、結成当時の気持ちを取り戻せた感じは結構あって。

栄二郎:ブルハチも来年で10周年ですからね。メンバー全員前にやっていたバンドがあって、それで組み直してる。そんなバンドがメンバー全員、1番長いバンドですからね。全員ブルハチが1番長いんですよ。

IKUO:SIAM SHADEより長いんだよね、すごいことですよ。でもSIAM SHADEは再結成したけど(笑)。

栄二郎:ね、淳兄もっとブルハチやってよ!って(笑)。でもこの10周年を迎える前というタイミングで「Remember」を出せるのは良かったなあと思いますね。もう1回自分たちを仕切り直すことができて。

-来年で10周年。個々の活動がお忙しい中で、バンドが続いているのも素敵な事実だと思います。

栄二郎:僕らは適度な距離感があって、それも理想的だなと思いますね。会うたびに"久し振り。何してた?"ってお互いのことを聞けるのがすごくいいなと思うんです。ずっと一緒にいたらお互いのことなんて気にならないじゃないですか。だからバンドで集まるたびにお互い新鮮だし、IKUOさんの作る楽曲も常に新鮮なので、メンバーからの刺激はすごく大きいですね。

IKUO:淳士君もよく言うんですけど、やっぱりBULL ZEICHENは"長く続けたいバンド"なんです。がっつりバンドをやってドーンと人気が出たあとに人気が下降して解散していくバンドはたくさんいますよね? でもその盛り上がっていく感じはかっこいいんですよ。そのバンドだけに身を捧げてツアーを回って......実を言うとそういうものにものすごい憧れがあるんです。でも僕らは各々が前にやっていたバンドが解散してしまった。だから自分たちはそういうところで勝負をするわけではない、と発想を変えているというか......このバンドは絶対に捨てられない。そう思うと、今のスタンスが1番いいのかなと思いますね。そのバンド側のわがままに、ちゃんとついてきてくれるファンがいっぱいいるというのは、すげえ嬉しいなと思っていて。それで......将来的にはキャパを広げたい。バンド以外にもいろんな音楽の仕事をやっている人間が言うのはすごくおこがましいけど......僕らは今のスタンスで、大きい会場でやっている人たちと並びたい(笑)。

-うんうん、なるほど。

IKUO:ただのライフワークというのも嫌なんですよ。長く続けるためだけのぬるい活動はしたくない。例えばZepp Tokyoを埋めたい! という目標がないと、"トレイラーでどう話題を集めようか?"とかいろんな戦略も本気で考えられないし。音楽で飯を食えるようになって、サポートの仕事をやるようになって、それ以外にもいろんな仕事をやって......安定してくるとハングリーさがなくなる場合もあるじゃないですか。でも基本的に音楽はハングリー精神がないとやれないですね。バンドは遠くに目指してるものがある以上続けるしかない。だから僕らが続けられているのは、目標があるから。これから何年かかっても大きい会場には行けないかもしれないですけど、このバンドで絶対そこに行きたい! という気持ちがメンバー全員にあるので、続いてるんだと思います。

栄二郎:このバンドだとキッズになれるんですよね。歳は取っていくかもしれないけど、制作に関してはずっとピュアなんですよね。ライヴでもやりたいことができるし......だからそういう気持ちに戻れる場所ですよね。家みたいな。

-ファンのみなさんがブルハチについていくのも、4人全員がすごく楽しんでいるからだと思います。そういう気持ちは絶対に聴き手に伝わるものですから。

栄二郎:そうですね。ステージ上で目も合わせずツンケンしてカッコつけるよりは、みんな笑ってる方がいいですよね。例えばMCでセバスをいじったりしても、それを見ているIKU兄も淳兄も楽しそうだし、なによりもお客さんがそれを見て笑って楽しんでくれてるんですよ(笑)。すべてが相乗効果で楽しくなるから、そういうことも含めてずっとハッピーでピースなバンドでいたいなと思います。「WINK」もロックとハッピーが、いっぱい詰まった曲になりましたね(笑)!