INTERVIEW
NIGHTWISH
2015.03.23UPDATE
2015年03月号掲載
Member:Tuomas HoloPainen (Key)
Interviewer:荒金 良介
-今回のアルバムに臨むうえでどんなヴィジョンがあったのでしょうか?
あまり明確なヴィジョンはなかったんだけど、曲作りを始めてから1ヶ月くらいしてからこのアルバムではもっと科学とか生物学とかについて触れたいと思った。例えばCharles Darwin(※イギリスの自然科学者。"種の起源"の著者)やCarl Sagan(※アメリカの天文学者/SF作家)にインスピレーションを受けたアルバムなんだ。今までファンタジーとかおとぎ話などについて曲を構成していたが、今はそういうものに非常に興味がある。前作は想像の世界をテーマにしていたけど、今作『Endless Forms Most Beautiful』では化学的なアプローチで世界の自然や不思議をテーマにしている。また神秘や魔法がたくさん含まれているけど、化学的アプローチもそこにあるんだ。
-最初にできた楽曲はどれになるのですか? またその曲ができたことで、さらに作品像が具体化されたところもあったのでしょうか?
最初にできたのがTrack.8の「Edema Ruh」だったけど、これでアルバムの方向性が生まれたとかではなく、イントロ的な気持ち気分がよくなっただけだった。そのすぐあとに最後のトラック(Track.11)、「The Greatest Show On Earth」に取り掛かった。この曲は非常に壮大で長い曲で、アルバム全体のテーマを明白にしている。命、進化や人類の未来がそれだ。
-今回のレコーディングはどうでしたか? 今までと違う試みをした部分は?
ひとつだけ違う試みといえば、今回はデモを作らかなった所なんだ。15年間ずっとNIGHTWISHはレコーディング前にデモを作っていた。いつもしっかり構想を練って、入念に考えていたんだけど、今回はリハーサルでの自発的に生まれた音が組み込まれるように余裕をもたせたかった。アルバムを聴くとその部分も気づくはずだよ。これによって、数ヶ月はスタジオの時間も短縮したんだ。
-楽曲はTuomasさんが作られていると思いますが、今回ほかのメンバーのアイディアが盛り込まれて、かなり変化した楽曲はあるんですか?
光栄なことにメンバーはいつもすべて任せてくれるから、あまりメンバーのアイディアはないんだ。Marco(Hietala/Ba)はもちろんいろいろアイディア、メロディや構成などを提案してくれている。中には最高にいいと思ったものがあるんだ。例えばTrack.5の「Our Decades In The Sun」はほとんどMarcoが作った曲だった。歌詞も「Weak Fantasy」と「Yours Is An Empty Hope」はMarcoと一緒に作った。
-今作の感想になりますが、まずFloorさんの優しく柔らかな、包容力のある歌声が存分に楽曲の中で活かされていると感じました。いかがでしょうか?
このアルバムを聴いたとき、彼女が得意のオペラの声を使ってないことに驚くかもしれない。もっとソフトな一面を追求してみたかったんだ。彼女はそういう歌い方をしたことがなかったから、逆にとてもインスピレーションになったらしい。「Élan」は彼女がソフトな歌い方をしている1番いい例かもしれない。ヴァースでの歌い方は本当に美しい。