INTERVIEW
AIR SWELL
2015.03.18UPDATE
2015年03月号掲載
Member:hamaken (Gt/Vo) hiromitsu (Ba/Cho) Yudai (Dr)
Interviewer:荒金 良介
-hiromitsuさんは歌詞を自分の中で咀嚼してプレイしたいタイプですね。
hiromitsu:hamakenが歌ってて、俺は歌ってないけど、口を動かしていて当然みたいな。そうじゃないと、お客さんに歌えとは言えないですからね。あと、Yudai君がドラム職人すぎて......。
hamaken:ははははは。
hiromitsu:レコーディングの話になるけど、曲が上がってくるのが録りの1週間前ぐらいで、ほぼ時間がないままレコーディングに入ったけど、ドラムを完璧に仕上げてくるんですよ。それでまたプレッシャーを感じて(笑)。
hamaken:曲をギリギリまで揉んじゃうんですよ。
hiromitsu:それで良くなるなら、俺らは待ってますからね。結果的にいいものを作りたいというゴールは決まっているわけだから。
-前作は意識的に1曲1曲の振れ幅を意識してましたが、今作はどうですか?
hamaken:さほど気にしてないですね。今回はいいメロディというか、聴きやすくて耳に残るメロディを意識しました。でも普通はこういう音使いをしないよな、というところは意識して。音楽のジャンルというより、スケール的なメロディにこだわりました。
-なぜメロディにこだわろうと?
hamaken:そういう周期なのかもしれない。"キレイなメロディを歌いたいなあ"と思って。前作ですごく振り切ったので、今回はめちゃめちゃメロディ押しでいこうみたいな気持ちはありましたね。その繰り返しで、自分の中でバランスを取ってるのかもしれない。いろんな曲調を見せるのとメロディを掘り下げる、そのすべての範囲がAIR SWELLなんですよ、というところに持っていきたくて。
-今回もピアノ、ストリングス、同期も入ってますけど、曲調はよりストレートになってますね。あと、hiromitsuさんが入ったことで、楽曲自体の加速度も増してるなと。
hamaken:確かにそうですね。
hiromitsu:前のベースもすごく上手で、僕のプレイ・スタイルとはまた違ったので。そこを引き継ぎつつ、せっかくテンポが速い8ビートがあるなら、今までのAIR SWELLになかったようなピッキングを入れようと。
hamaken:再確認したのは、前のベースが指弾きで、hiromitsu君はピック弾きなんですよ。AIR SWELLは今までずっと指弾きだったけど、僕も初めてピックで弾いた曲を聴いて、"ロックは音色的にピック弾きが合うんだな"と。
-歌詞に関してですが、まずTrack.3「Broke as shit」はインパクトありますね。"やはり俺は天才なのだろうか"、"やっぱ俺のセンスはナンバー・ワンだ"と。
hamaken:はははは。自分でも面白いと思います。こんなこと歌っちゃってるよって。誰しもそうだと思うけど、自分のセンスがヤバイと思ってなければCDも出さないと思うんですよ。みんな謙虚だから言わないのかなって。アメリカのアーティストは"俺が最強だ!""俺ヤバイだろ?"って、バンバン言うじゃないですか。それを日本人がやったらダメなのかなって。じゃあ、俺がやってみようと(笑)。
hiromitsu:あと、「デイドリーマーズバラッド」はすげえいい歌詞だなって。俺なんて肩肘を張ってツッパってきたし、物事を固く捉えてきたけど、そういう人に聴いて欲しいですね。
-「デイドリーマーズバラッド」は、今作の中でもストレートな歌詞ですね。
hamaken:今の若い子って、すぐに諦めるなあと思って。地元が四国で、自分たちでイベントもやってるんですけど、すごくいいと思うバンドがいたけど、いつの間にか解散しちゃって。賢いのか、夢がないのか、"なんかロックじゃないな"って。現実的な子が多いですよね。そういう子たちにも聴いて欲しい。生きていればいいことも悪いこともあるし、逆にバンドがなくなったら、どうします?
hiromitsu:路頭に迷うんじゃない。いくらお金があってもね。
hamaken:好きなことをやるってすごいことだと思うんですよ。バンドをやってること自体が幸せですからね。