INTERVIEW
HIBRIA
2015.01.07UPDATE
2015年01月号掲載
Member:Abel Camargo (Gt)
Interviewer:藤崎 実
-前作『Silent Revenge』からモダン・ヘヴィネスな要素も増えています。それは決して悪いことではなく、HIBRIAの特徴であるメロディ・ラインを生かしつつ、ソリッドでヘヴィなメタル・サウンドに進化したと自分は評価しています。そういった変化は新たな『Defying The Rules』にも反映されていますが、改めてビルド・アップされた本作を振り返ってみてどう感じていますか?
その通りだと思う。こういった特徴に気付いてもらえてうれしいね。『Defying The Rules』の10周年記念盤にはとても満足しているんだ。オリジナルのメロディ、ハーモニー、アレンジの大部分を大切にしているが、俺たちは最近のHIBRIAがライヴで演奏するとしたらこうなるだろうというイメージで録音したんだ。今ではあのころよりもずっとヘヴィな演奏を行っていて(オリジナル・ヴァージョンの半音下げ)、この再録ではそのことを示したかったんだ。
-Renatoのギター・プレイが冴え渡っていますね。彼のリフを聴くと心が躍ってしまいます。オリジナルの『Defying The Rules』の単純なコピーには決してならずに、現在のHIBRIAのサウンドとしてのギター・サウンドが聴けるという点も興味深いです。レコーディングは順調に進みましたか?
もちろんだ。Renatoは素晴らしいギタリストだ。オリジナルのギター・ラインをきちんとプレイした上で、ソロには独自のアイディアを加えている。アルバムの元々のフィーリングを保ちながら、よりヘヴィで、プロダクションとしてはよりモダンに響くようにしようというものだった。昔のままのアルバムを録音しても意味がないからね。
-Iuriの力強く伸びやかなハイトーン・ヴォーカルの素晴らしさには毎回驚かされます。新たな『Defying The Rules』の魅力を引き出すことに成功していますね。オリジナルでは表現に納得いかず、今回のリレコーディングでクリアできた部分もあるのでしょうか?
Iuriは傑出したシンガーで、このアルバムの彼のパート全てが、よりクールに響くんだ。今では経験を重ねて、より素晴らしいミュージシャンとなっているし、1番高いトーンにもずっと楽に到達することができる。スキルもずっと向上して、自分が望む形で声をどうやって活かせばいいのかが分かっているんだ。俺たちにとって、Iuriのヴォーカルはオリジナルよりもさらに良くなっている。新しい『Defying The Rules』の解釈は特別で、彼の声はこれまで以上にパワフルだ。
-「Stare At Yourself」で聴けるBenhurのベース・サウンドが上手く楽曲に作用し、さらに重厚にプログレッシヴになっていると感じました。サウンドのバランスもグッと良くなった印象を受けます。リズム隊のメンバーがオリジナルとは違うという点も楽曲に影響が出ていますね。
Benhurはとても上手いベーシストで、ドラマーのEduardo Baldoもそうだ。ふたりともキラー・サウンドにリズム・セクションとして貢献してくれている。「Stare At Yourself」はとてもグルーヴィで、Benhurのバック・グラウンドが大きく貢献している。Benhurはいろいろな種類の音楽を演奏してきているので、アルバム全体のベース・ラインを強化することができたんだ。
-日本盤ボーナス・トラックについて教えていただけますか?
Track.11「The Saga Will Begin」は、俺たちの2本目のデモ・テープ、『Against The Faceless』からの曲で、このテープには「High Speed Breakout」と「The Faceless in Charge」も含まれている。曲のオリジナルのメロディを保ちながら、アレンジとオリジナルのソロには変更を加えたんだ。この曲は、最近の作曲スタイルで録音した。「Millenium Quest - Extended Version」にはギター・ソロがふたつ、ベース・ソロ、ドラム・ソロが追加されていて、ライヴを行っているみたいに演奏した。ライヴでジャムをすることを考えているので、日本のファンはきっと気に入ってくれると思うよ!
-決してオールド・メタルの模倣にはならずに、常に新しいサウンドを取り入れつつも核がパワー・メタルであることは揺るがない。HIBRIAは現在と過去のメタルの歴史が凝縮されていて、メンバーのセンスと熱によってそれが成立しています。若いメタル・キッズはもちろんとして、メタルから離れている80年代のメタル・キッズ世代も取り込めると確信しています。
それはとても光栄だね!バンドを結成してから、俺たちは自分が演奏したいものを演奏することが1番クールなことだと考えてきたんだ。こういうふうに考えることで、演奏したいものを演奏し、HIBRIAの音楽に新しい影響を加えることができる。新しい影響について言えば、特ダネがあるんだ!HIBRIAは2015年の中ごろに新しいスタジオ・アルバムをリリースする! 今言えるのは、これは初期の2枚のアルバム『Defying The Rules』と『The Skull Collectors』に見られる要素やキャッチーなメロディといった従来の要素と、『Blind Ride』や『Silent Revenge』のヘヴィネスやグルーヴ、さらにバンド・サウンドをもっとユニークなものとしてくれる新しい要素を組み合わせたものになるということだ。