INTERVIEW
HIBRIA
2015.07.22UPDATE
2015年08月号掲載
Member:Iuri Sanson (Vo)
Interviewer:藤崎 実
-通算5枚目となるニュー・アルバム『Hibria』の完成、おめでとうございます! アルバム・タイトルに自らのバンド名を冠したあたりに、かなりの自信がうかがえますね。
すごく自信があるんだ。このアルバムはパワーに満ち溢れていて、バンドの自伝のように思えたので、あえてセルフ・タイトルにした。バンドとしてとても成長したので、このアルバムは俺たちの完成形にもなっている。このアルバムを制作している間、人間として、ミュージシャンとして大きく成長したと思えるから、俺たちのすべてだと信じている。
-昨年12月に日本でリリースされた『Defying The Rules』のリレコーディング記念アルバムの評判はいかがでしたか?
『Defying The Rules』アルバムの10周年だったので最高の反応だったし、高い評価を得ることができた。ライヴ演奏を意識したので、さらに力強いものになったと思う。10年も経つとやっぱり経験を積んで、ミュージシャンとして成長し進化しているので、それがよく分かる作品だよ。再レコーディングすることは最高の経験になったし、10年前に比べると意外と楽にレコーディングできた(笑)。
-ニュー・アルバムは実にHIBRIAらしい、キャッチーなメロディとヘヴィネスなグルーヴが融合している素晴らしい作品であると感じました。いくつかの楽曲についてコメントをいただけますか? また、Iuri 自身が気に入っている楽曲がありましたら聴きどころやポイントを教えて下さい。
個人的に「Tightrope」(Track.3)と「Life」(Track.4)が大好きで、これからこの方向性で進んでいきたいと思っている。歌詞がセンチメンタルで自分たちの信条や経験を物語っている。とても重要な曲だと思う。
-Iuri Sanson(Vo)の美しいヴォーカル・ラインは、いつも以上に力強く歌声の太さが増し、表現力もかなり向上している印象を受けます。『Hibria』を制作するにあたって、ヴォーカリストとして何か明確な目標やチャレンジはあったのでしょうか?
どうもありがとう。アルバムごとに新しいことをやろうとしているんだけど『Blind Ride』(2011年リリースの3rdアルバム)以降は特に自分の歌い方に様々なスタイルを取り入れることにした。知っていると思うけど『Defying The Rules』(2004年リリースの1stアルバム)と『The Skull Collectors』(2008年リリースの2ndアルバム)はすごくハイピッチでパワフルさだけを強調していたから、最近は音域もスタイルもいろいろ試している。『Silent Revenge』(2013年リリースの4thアルバム)のときは本当にいろいろ実験して歌い方を変えた。低い音域を取り入れたりもした。『Hibria』ではさらに変化をつけているけど、ヴォーカル・メロディを変えても、自分らしさは変えないようにしている。歌詞のフィーリングに従って、感情を込めたヴォーカルを常に目指しているんだ。
-ニュー・アルバムは初期HIBRIAの持っていたスピーディなパワー・メタル成分が復活しているように感じました。また、演奏や楽曲展開は今までの作品以上にスラッシュ・メタルに近い部分が多く、攻撃性も増していますね。
今はみんな、かなり攻撃的な気持ちなんだ(笑)。ブラジルは経済が低迷していて、国として繁栄していなく、みんな生活苦なんだ。毎日が奮闘で、ミュージシャンは特に大変だと思う。そんな思いも込めて、夢を生かしておくためにこのアルバムでは、特にそういった気持ちを込めている。セルフ・タイトルにしたのも"Hibria"自体パワフルな名前だから。ファンからよく俺たちの音楽を聴いて力が出たとか、乗り越えられたってメッセージが来るから、このようにパワフルなアルバムを作ったんだ。
-Renato Osorio(Gt)のギター・ワークは本作も冴え渡っていますね。今まで以上に全曲で激しくテクニカルに弾きまくっていますので、ギター・プレイヤーは必聴ですね。サウンド・プロデュースをもこなす彼は、すでにHIBRIAにとってなくてはならない存在であると感じます。
なくてはならない存在だよ。バンドに加入してからずっとそう。彼はみんなのアイディアのまとめ役をしている。彼は完成間近の作品を完璧にしてくれる人。"これで完成だ"って言ってくれるんだ。曲作りはみんなでやっているけど、最後のひと押しは彼がやっているよ。
-Track.7「Ashamed」で聴けるBenhur Lima(Ba)のベース・プレイは非常にテクニカル且つファンキーで、様々なジャンルに精通している彼の真価が発揮されていると感じました。この楽曲はホーン・セクションが参加していたりと非常にユニークで、新しいHIBRIAの一面が引き出されていますね。
ベルの音から始まるんだけど、これはみんなの目を覚ますつもりで入れた。今のブラジルの情勢を反映しているんだ。ブラジルでの生活を恥じていると歌っている、これを聴いて何とかしなくちゃ!と革命を起こしたくなるような内容なんだ。力強くてヘヴィだけど、気持ちが込められている。多分聴いていて危機感とか、そういうドゥーム的な要素も感じられると思うよ。