INTERVIEW
カイモクジショウ
2014.11.06UPDATE
2014年11月号掲載
Member:西田 夏海 (Vo) 上田 哲也 (Dr) 高橋 裕樹 (Gt)
Interviewer:荒金 良介
-純粋な疑問なんですが、この演奏に歌を乗せるのは相当大変じゃないですか?
西田:乗せにくいですよ(笑)。だからこそカッチリ決めると、自分の意識も受け身になるし、ライヴで歌うときにしっくりこなくて終わることになる。なのであえて枠を取っ払って、自然に出てきたものを乗せるようにしてます。ある程度のテーマはあるけど、大幅にハズれなければ、何でもありかなって。その方が結果的にうまくいくことが多いですね。
高橋:考え込みすぎると、結局良くなくて。スッとできた曲の方がボツにならないんですよ。
-今作を聴いて、この人たちはただ突飛なことをやりたいだけなんだ、奇をてらって面白いことをやってるんだな、という感想を抱く人もいると思うんですが。
上田:それは全然しっくりこないですね。むしろすごくオーバーグラウンドなことをやってるつもりなんですよ(笑)。
高橋:自分たち的にはメインストリームなんですけどね。
西田:私は別にどう思ってもらっても大丈夫というか。"これが私たちです!"と押しつけるつもりはないから。いろんな感想を持ってもらえた方が嬉しい。
-今回の紙資料に"不思議ちゃんボーカル"と書いてますが、こういうふうに形容されてもイラッとしませんか?
西田:全然大丈夫です。
上田:そのキャッチ・コピー書いてくれた知人が"不思議ちゃん"と言って大丈夫かな?と聞いてきたけど、大丈夫だよって(笑)。
西田:拒絶や否定はしません。ヒネクレと言ったらおかしいけど、コンプレックスから面白いアイディアが生まれることもありますからね。私も自分のコンプレックスを書いた曲もあるし、それ以外にも自分が行った場所や夢からインスピレーションをもらいますからね。主観的なところから種ができて、1度それを俯瞰的なところから眺めて、他の人の感想を聞いて、そこでまた新しい発見がある。その繰り返しですね。
-話は変わりますが、今年はオーストラリア・ツアーに行かれたそうですね?
上田:観客のレスポンス、環境、空の広さといい、また行かねばと思いました。
高橋:日本人の前でやるのは慣れているけど、海外のお客さんって良ければワーッとなるし、ダメなら無反応みたいな。ほんとにわかりやすいし、素直な感想を言ってくれる。日本人は誰かが拍手したら拍手するみたいな、それは国民性だと思うんですけどね。それをひっくるめて、海外では定期的にやってみたいですね。その足がかりになりました。
-実際の反応はどうでした?
高橋:彼女は"She is monster"って言われてました(笑)。
西田:ああ、言われましたね。洋楽のレビューで"モンスター現る"みたいな紹介記事があるじゃないですか。初見なのにわざわざ物販まで寄ってきて、"You are monster"って言われたときはリアルにそう思ってくれたんだって、嬉しかったです(笑)。
-ライヴの手応えは?
西田:反省することも多々あり......、MCの内容とかまだ足りない部分はありますね。英語が喋れなくても盛り上がってるバンドもいたし、コミュニケーションは言語だけじゃないんだなと。私はもともと英語が大好きで、カイモクジショウの前のバンドではオール英語詞でやっていたんですよ。