INTERVIEW
カイモクジショウ
2014.11.06UPDATE
2014年11月号掲載
Member:西田 夏海 (Vo) 上田 哲也 (Dr) 高橋 裕樹 (Gt)
Interviewer:荒金 良介
-その感覚はバンド内でも共有してるんですか?
西田:そこに関しては同意見ですね。
上田:ギターとはまた考えが違うんですけどね。
高橋:僕はどちらかと言えば数学的で、(他のメンバーは)人間的なので、無機的なものと有機的なもの、それがうまいこと混ざり合ってる。その危ないバランスがバンドの個性なのかなと。
上田:4つ楽器が鳴っていたら難しいですね。ウチはベースが入ったら、そのバランスは保てないと思います。今の危なっかしい感じはこの3人じゃないと出せない。聴いてる人が危なっかしいと思ってるかはわからないけど、やってる方はヒヤッとする瞬間があるから。
-(笑)
上田:例えばライヴでヴォーカルがいなきゃいけないシーンで、水を飲みに行ってたりして......じゃあ、今の間を繋がなきゃって。
高橋:ライヴを観てもらえればわかるんですけど、ヴォーカルはマイクを投げ捨てて、いろんなところに行っちゃって、構成的には歌が入らなきゃいけないところで別のアレンジに変わりますからね。
上田:曲作りの段階からそういう作りかたというか。
-えっ、そうなんですか?
上田:もともとキャンパスはないし、スタジオでギターがワン・フレーズ弾いて、いいなと思ったら、"それを使おうよ"って。そこからテーマが生まれて、後でまとめる感じです。作曲してるときも演奏でアクシデントするシーンと気持ちは近いかもしれない。
高橋:だから、曲のOKラインもほんとに曖昧なんですよ。音源を発表してからも変わるし、そういうヘンテコなバンドなんです(笑)。
-筋書きがないバンドですね(笑)。
西田:ないですねえ。
高橋:ギターにトラブルがあっても、ベースがいれば曲は進むと思うんですよ。でもウチはベースがいないから、僕にトラブルがあったら、どうなるかわからない。
上田:その瞬間が1番楽しいんだよな。事故れ!と思ってるわけじゃないんだけど(笑)、そういう気概でやることが楽しい。
-偶発的に出てくるものに興奮を覚える?
上田:そうですね。
-故・勝新太郎が台本なしで即興芝居をしていた時期があり、"偶然生まれるものが完全なものだ"という言葉を本で読んだことがあるんですが、それに近い感覚ですかね。
上田:すごく共感できます(笑)。めちゃくちゃ面倒臭いことなんですけどね。
高橋:ただ、リスナーを飽きさせないように、演奏してる側がダレるパートはなるべく排除するようにしてます。
上田:排除しない方がいいケースもあるけどね。3日後に"やっぱりあのフレーズいいじゃん"と言うバンドだから(笑)。