－今作の制作日数は600日と書いてますね。

上田：曲を持って帰るたびに気に入らなくて、オーヴァーダブを繰り返してました。曲もできては壊してましたからね。その中で唯一生き残ったのがメンバー3人とも好きな曲なんですけど、最後のトラック（「シルバー」）で結構古いんですよ。

高橋：『発声・源』のころからあった曲ですね。

－「シルバー」も不思議な曲ですね。アウトロはノイジーな音色になり、冒頭曲「soleil」に繋がるような流れになってますね。

高橋：今回はフル・アルバムを作ろうと言い出してから、曲作りを始めましたからね。それで作品全体の流れも考えたし、こういう曲があるなら、次はこういう展開の曲があった方がいいな、という感じで作りました。

西田：1stフル・アルバムなので、1回聴いたときに大まかなストーリー性を掴めたり、繰り返し聴ける作品にしたかったんですよね。

上田：ライヴのセットリストもそうだと思うんですよ。速い曲をガツンとやったあとに、一旦落ち着かせる曲をプレイして、最後に広がりのある曲やって終わるみたいな。今回のアルバムにはインストも挟んでいるし、それも次の曲に関係してますからね。作曲よりもそこに気を遣ったかもしれない。

高橋：途中で止めずに、ずっと聴ける作品にしたかったんですよ。

－今作を聴いても、影響を受けた音楽が見えづらいし、独自のサウンドとしか形容しようがなくて。

上田：何かに似てしまうと、恥ずかしくてボツにしちゃうんですよ。"おもしれえ！"と思ったものが曲になるから。ウチはなっちゃんじゃなく、別の女性が歌ったら、また違う音楽になってただろうし。

西田：このアルバムを聴いて、どんな受け入れかたでも、どんな感想を持ってもらえても嬉しいですね。もし面白いと思ってくれたら、前作のEPと聴き比べたり、"この人たちと対バンしたら面白い""こんなイベントに出たら面白い"とか、何でもメッセージやご意見をくれたら幸いです。はははは、なんか固くなっちゃった。どこかのスーパーの店長みたい（笑）。とにかく、何かひとつでも感じてくれたらいいです。