INTERVIEW
カイモクジショウ
2013.03.29UPDATE
2013年03月号掲載
Member:西田 夏海 (Vo) 高橋 裕樹 (Gt) 上田 哲也 (Dr)
Interviewer:伊藤 啓太
-今のメンバーに落ち着くまではメンバー・チェンジがありましたよね?
高橋:今はベースレス・バンドなんですけど、元々はベースも募集していたんです。とりあえずライヴをしたいという一心でベースレスで始めてから4年近く経ってしまったみたいな(笑)。
-じゃあ必然的にベースのない音を作っていったわけではないんですね。
上田:僕が加入して2年で、バンド自体は4年活動しているんですけど。僕が入る前のデモ・テープにはベースが入っているんですよね。僕は最初お客さんとして見ていたんですけど、凄く荒削りな3人のスタイルみたいなものが出来かけていて。僕が加入してからの録音とかはベースなしで大体1発録りですね。
-上田さんが加入する経緯はどういったものだったんですか?
高橋:元々僕と高校の同級生で、卒業してから別々の音楽の道を進んでいて3年ぶりくらいに会って、お互いこういう音楽をやっているっていう近況報告をしていたくらいの時にドラムが抜けることになって。上田もやっていたものがなくなったっていうタイミングだったのでじゃあ一緒にやろうってなりましたね。
上田:無理やりですね、俺の(笑)。俺はとりあえずライヴでしびれちゃったところがあって。
-上田さんからの逆オファーだったんですね。
上田:俺から入れろって、俺のが良いでしょっていうくらいのノリでした(笑)。
高橋:元々高校の同級生コピー・バンドとかやってたんですよ、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかBRAHMANもやったし……BLANKEY JET CITYとか色んなのをやって。その時から一緒にやりたいなっていう気持ちはあったんですけど、別になってそれが今一緒に戻って。
-じゃあ勝手知ったるっていう部分は多分にあったんですね。カイモクジショウがバンドとしてスタートしたときに、なにか“こういうバンドにしたい”というようなイメージはありましたか?
高橋:ずっと僕がラウドロックだったりヘヴィなものが好きで、それを主体に曲を作っていて。DEFTONESとかオマージュじゃないけど……感じたものをやっていたという感じだったんですけど、段々と変わってきているんで、今はそんなにルーツというのは関係なくなってきてますね。
-カイモクジショウのサウンドは、DEFTONESとかKORNなどのスケールの大きいラウドロックのリフの感じはありつつ、凄く生き物というか有機的なサウンドですよね、そして響きが日本的だと感じました。
高橋:適当に弾いてみて、それいいなと思ったらリフが出来たとか、このコード進行が出来たとか持っていって、あーでもないこーでもないといいながら作り替えていって……育てているというか。逆にそれ以外でも無駄に作りこんでみたりだとか。特殊なリフとか誰も思いつかないような、手癖でもないであろうものを自分の手癖にしちゃってとか。
-基本的には高橋さんがアイデアを持ってきて、それを2人が咀嚼していく作り方ですかね?
上田:大体出てくるものは付き合いが長いので予想の範囲内だったりして、会話の中で作っていくというか、元ネタは裕樹が弾いてくるんですけど、次の瞬間には会話を経て別のものに変わっていったりします。とにかくギターのスタイルが特殊で、エフェクト・ボードありきで、変則チューニングでっていうかたちでやっているので……なんというか僕らが持ってきようがないんですよ、とっかかりを(笑)。
-かなりエフェクティヴなプレイしますよね。
高橋:そうですね、2秒くらいしか使わないワン・ステージの1個を設置していたりとか(笑)。
上田:咀嚼するというか咀嚼の咀嚼ですスタジオは(笑)。持ってきたものをグチャグチャに壊すんですよ1回。
高橋:音楽的でもないようなものを音楽的に変えてくれるというか。
-そういった息遣いのようなものが、自分が感じた生き物というか、有機的だといった部分に繋がってくるのかなと思います。2人そうやって咀嚼と構築をしていったものにヴォーカルが乗ると思いますが、西田さんのヴォーカル・スタイルも独特ですよね。幼児性とも言えるようなセンシティヴな感じとそれを達観したような大人でも子供でもないような感覚が同居しているかのような。
西田:バンドは結構ポップス寄りであったり、SKINDREDとかINCUBUSみたいな西の方のもっと明るいような。後はダブとかレゲエとかちょっと入っているような曲を作っていたりとか、今とやっていることは違うんですけど。けど私の音楽のルーツはいろいろあって、個人的に家で聴くような音楽もこのバンドでやっているような感じではないですね。