INTERVIEW
カイモクジショウ
2013.03.29UPDATE
2013年03月号掲載
Member:西田 夏海 (Vo) 高橋 裕樹 (Gt) 上田 哲也 (Dr)
Interviewer:伊藤 啓太
-西田さんのライヴ中の動きはトランス状態の様というか、独特ですよね。
西田:そうですね、リズムにそっているわけでもないですし……頭の中では(音が)鳴っていますけどね(笑)。
高橋:メンバーですらどういう動きをするかわからないんで、面白いっちゃ面白いんですけど……。
西田:よく怒られるんです。
-怒られる?
西田:はい、例えば……。
上田:エフェクト・ボード踏み散らかしたり(笑)。
西田:踏み散らかしたり、ケーブル抜いちゃったりして。
高橋:それを観てお客さんが楽しんでたりするのがライヴならではだと思いますけど。
-土台というか、キャンパスと表現されましたけど、高橋さんから観て2人はどう見えていますか?
高橋:その日その日で、あぁそう来たかって言うときもあるし。逆に僕に関してはアドリブというアドリブは僕にはできないので、僕にできることといったらキャンパスじゃないけど……。
上田:いいバランスで成り立たせてくれるんですよね。多分こっち(2人)だけだととんでもない方向にいくのを、ちゃんと道を敷いてくれる感じですね。すごい性能の良いブレーキみたいな(笑)。顔見ると大体わかりますよ。
-フリーキーにやっているように話していますが、西田さんのベースにある歌唱力の高さは凄いですよね。
西田:ほんとですか?ありがとうございます。
高橋:ある意味、ベースの役割を3人がしているうちの1人であるとは思うんですよ、ヴォーカルですらも。
上田:ライヴで音痴になっちゃう子多いもんね、俺も最初お客で見てたけどビックリしましたね。
-特にヴォーカルの緩急って他のバンドに比べてもかなり激しいと思うんです、それこそシャウトとクリーンでパートを分けたりだとか。それを1人で担ってもぶれないですよね。
西田:音楽の専門学校に入ったときは、講師の方々に歌っていてストーリーが1曲の中で見えてこないとか、どちらかと言えばその時は一辺倒というか一本調子な感じだねって言われてたのが、凄く印象に残っているんですけど。それがちょっと悔しかったっていうのも実はあるかもしれませんね。今思えば成長の糧になったというか。言語的にも洋楽から入ったっていうこともあって、このバンドに入ってから日本語詞を書くようになって、意識的に半々くらいにしようと思って。なので、そこからまた日本語詞の世界も自分なりに勉強したりとか、言語の感覚とかを研ぎ澄ませたりとかして。一言一言、言葉遊びみたいに並べ替えたり組み込んでいくのが凄く楽しいバンドです。
-3/29のライヴから、以前にリリースしていたEPを今のメンバーで再録したものを販売するとのことですが、新曲ではなく過去作を再録するに至った流れはどういった理由からですか?
上田:まぁまずは俺の思いつき。僕が入った直後は、『発声・源』っていうCDもなくて、前のものを売っていたんですけど、凄いそれがイヤで。だからいつかやりたいと思っていたんですよね。今出ている『発声・源』っていう作品がけっこう人の手にとってもらえていて。昔のもっとラウドで、もっとわかりやすいことをやっていたカイモクジショウっていうのを誰も知らないんですよね。俺がシビレた頃の。それを再現したいなと思って、俺が叩いて。やっぱ自分じゃないのは気に入らない(笑)。だから意図的な計算とかそういうのはなくて、僕らのことを好きな人に、なにかを定期的に提供していきたいっていうのはありますね。アップ・グレードなのかダウン・グレードなのかわからないですけど(笑)。カヴァーとかライヴで配ったり入れたりするの好きで。
-カヴァーとかもやったりするんですね。
高橋:カヴァーは売り物ではないんですけど、レコ発の来場者特典で。
-なんのカヴァーやったんですか?
高橋:THE BEATLESの「Rain」ですね。
-意外ですね!原曲グチャグチャにして?
上田:いえ、結構忠実に。
高橋:こういうバンドだからやったら面白いんじゃないかなって。
上田:面白いですよ、今1番好きかも(笑)。
西田:自分の曲じゃない(笑)。
上田:結構(ヴォーカルと)2人はオールディーズが好きで、勿論ヘヴィ・ロックも通過しましたけど。具体的にあげようとするとキリがないんですけど、ブルースとか。でもそういうのを超えるくらいすごかったので。向かう方向は3人とも見えていて。
西田:私はTHE BEACH BOYSが好きですね。
高橋:僕は完全に90年代オルタナとか、バキバキなエレクトロ・ロックみたいなものが好きだったので、全然この2人とは別なんですけど。