INTERVIEW
NEW BREED
2014.10.14UPDATE
2014年10月号掲載
Member:Tama (Gt) Tommie-B (Ba)
Interviewer:米沢 彰
-その一方で他の曲の分を凝縮したかのように「Out of reach...」ではダブステップ的なアプローチも取り入れられていて、"電子的な音を使うときは徹底的にやる!"というような意識が見え隠れするように感じましたが、実際のところはいかがですか?
Tommie-B:その曲は去年リリースされたmaximum10のレーベル・コンピに参加させてもらった曲で、その当初Tamaと話をしていた時に、1stの「immune to anything but you...」の延長線で、という曲でした。なので、必然とエレクトロ路線が強く出た曲だと思います。
Tama:常に心がけているのは偉大な音楽家Frank Zappaの言った"音楽は時間の装飾"と言う言葉ですが、聴き手がどんなときに聴くかを選べる様な素敵な曲をたくさん作りたいと思っています。流行歌は、集団行動的意味合いで、後々に聴かれるときは時代性を先行することが多いですよね。勿論それも大切で、良いものだからそうなると思いますが、芸術家ならもっと聴き手が個人的な喜怒哀楽を投影できる様な曲を作るべきだと思っています。人生にはたくさんの困難がありそれも人それぞれですからね。
-「Untitled」「Once said not found」や「Out of reach...」では正面きってストリングスを使ったり、「Things we've lost」ではサビへのブリッジを壮大に作りこんだり、かなり大胆に壮大なトラックに仕上げてきていますが、この辺りは狙っていたりあるいはテーマのようなものがあったりしたのでしょうか?
Tama:僕らのいるインディーズ・シーンは大きな括りで見ればJ-PUNKと呼ばれ、その中でもスクリーモと言う氷山の一角にいる現状です。僕は誰よりもたくさんのジャンル、音楽を聴くことを心がけていますが、中でも伝統的で様式美的で、気高く威厳に満ちたヘヴィ・メタルって音楽が本当に大好きなんですよ。今でこそメタルコアなんてジャンルもありますが、もっとこんなメタルコアもあっていいんじゃないかって。あまり受け継がれることがない部分を継承して世に出していくのも僕らの勤めなのかなと思って作ってみました。"古きを尋ねて新しきを知る"じゃありませんが。だから今回はテーマがあるとしたら、"エモスピ"(エモーショナル・スピード・メタル)が適切かなーって思うくらいですかね?あまり深い意味はありませんよ!
-その一方で「4WAYS+1」のハードさとコアなサウンドには驚きました。1分ちょっとと短いトラックでもありますし、実験的なトラックなのかなと思いましたが、このトラックはEPの中でどういった位置づけにあるのでしょうか?
Tama:特に深い意味はないです(笑)。エクストリーム・ミュージックというと一般的にはデス・メタル、最近だとデスコアとかなのかも知れませんが、もっとエクストリームなゴア・グラインドやブラック・メタルとかも正しい意味合いで認知されていけばいいな、と思うことがありますね。
-リリースに先駆けて公開された「Things we've lost」のミュージック・ビデオも観たのですが、Tamaさんがギター・ソロでずいぶんらしくない見た目になっていたようなのですが、見間違いでしょうか?
Tama:見間違いですね(笑)。
-(笑)個人的に驚いたのですが、どういった流れでああいったことをやろうとしたのでしょうか?
Tommie-B:そうですか(笑)。まず普通の映像にしたくないという意見があって、いろいろ話し合っていたんですが。いきなりマジメな話になってしまうけど、みんなそれぞれの状況で現実社会と闘っているじゃないですか。それはアーティストでもリスナーでも、社会人でも学生でも関係なく、自分が世間という他者と対峙するときには、常に"闘い"という側面があって。そのWarriorsがスタンド的に現れたのが今回の映像ですが、それがどういうものかは観た人たちに感じてもらえればと思っています。余談ですが、映像制作チームのRib FILMSのクリエイターたちと話しているときに、"そんで、このWarriorsですが......"と言われたときに、あ、これはウォーリアーズだと(笑)。以降、打ち合わせの中で必死に"Warriros"という呼びかたを定着させようと"ウォーリアー!"を連発していたのですが、最後には"モンスター"で落ち着いてしまったという。たしかにモンスターだけどさ......(笑)。
Tama:主観的にも驚いてますね。ミュージック・ビデオの撮影は8月初旬でした。今年の春に今回のEPについてそれに伴うミュージック・ビデオのコンセプト会議があったんですが、一同あれをやりたい、これをやりたいといった感じで意見を出し合ってたんですが、いつもの悪ノリが祟ってただの大喜利状態になってしまって会議が終わってしまったんです(笑)。それをマネージャーが無表情で議事録にまとめていたんですがMV撮影当日、現場に到着するとすべて小道具が揃っていたという訳です。もう物ボケするには困らない状態でしたね(笑)。
-今作のアートワークはかなり異色の雰囲気を持っていますが、海外のデザイナーですよね? どういったかたで、どういった経緯で依頼することになったのですか?
Tama:KENSUKE CREATIONSという名義で、BULLET FOR MY VALENTINE、AVENGED SEVENFOLD、BLESSTHEFALLなど、多くのバンドのマーチ・デザインを手がけているデザイナーなんですが、もともと彼の評判も聞いていて。とてもタイトな進行だったのですが、ジャケットのイメージを伝えたら、すぐに数枚の完成に近いデッサンを送ってくれました。
-アートワークについて依頼したイメージやコンセプトを教えていただけますか?
Tama:僕は音楽がとても好きで、中でも青春時代を共にしたメタルには特別な思い入れがあるんです。メタル・ゴッド、JUDAS PRIESTの『Screaming For Vengeance』という名盤はDoug Johnsonの描くヘリオンと言う機械鳥がとても印象的だったなあと思って。アルバムは違うけど『British Steel』ならぬ"Japanese Steel"という言葉がぴったりなジャケットになったと思います。今回はジャケットではないですが同じ様なコンセプトで、海外で活躍するSH11NA君という若い日本人デザイナーが描いてくれたTシャツのアートワークも素晴らしかったので、また機会があればデザインを依頼したいと思ってます。
-リリース後のツアーなど今時点で決まっている予定を教えてください。
Tommie-B:CRYSTAL LAKEの共同リリース・ツアーで、11月22日、23日に新潟と高崎に行きます。あとはレコ発を東名阪で、11月29日に梅田ZEELA、11月30日に名古屋RAD HALL、最後に12月12日が渋谷clubasiaという感じです。
-最後に激ロック読者にメッセージをお願いします。
Tommie-B:またライヴハウスで会いましょう!!