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INTERVIEW

MASTODON

2014.06.24UPDATE

MASTODON

Member:Bill Kelliher (Gt/Vo)

Interviewer:荒金 良介

-まず前作『The Hunter』は全米チャート10位という快挙を成し遂げました。この結果については、どう受けとめていますか?

アルバムとしてはいい思い出になったね。ビルボードのチャートであれだけ高い位置につけたのもクールなことだったし、それまで考えもしなかったことだった。というか、昔はビルボードのチャートに載るなんてこと自体考えつかなかったけどね。存在に気づいてもらえるにはいいことだよ。あのアルバムのおかげでリスナーが増えたし、ファン層も広がった。できるだけ多くの人に音楽を届けるのが俺たちの存在意義だから、いいことだよ。

-前作発表から約3年経ちましたが、バンド的に何か変化した部分や、思い出深いエピソードはありますか?

そうだね、「Curl Of The Burl」でグラミー賞のノミネートをまた受けたこと。今までとは違った領域に足を踏み込むことができた時期だと思う。メインストリームみたいなもののね。ラジオでも少しかかるようになったし、『The Hunter』からの曲では面白いビデオも作った。今までとは全く違った、よりビッグでベターなものに飛躍することができたと思うよ。いいことだね。俺たちみたいに15年近くもやっているバンドだと、アルバムを出すたびにさらにベターになっていきたい気持ちが強くなっているし、時代とともに変化しながら、今日的な意味を持ち続けていたいと思うから。個人的には『The Hunter』を作ったときは、人々が面食らったから、何か間違った方向に進んでしまったのかと思ったんだ。みんなどう解釈したらいいのか分からなかったんだろうな。プログレ風ではあるけど15分の曲があるわけでもないし、コンセプトが特にあったわけでもなかった。アートワークはクールだし、自由になれたアルバムだったと思うよ。コンセプトや、こう聴こえなければならないという固定概念のためじゃなく、アルバムを作るために作った、という感じかな。ただ曲を書いて、録音して、出すだけ、ってことが自分たちにもできるんだと。

-今年4月にはGOJIRA、KVELERTAKと全米ツアーを行いましたが、彼らと一緒に回っていかがでしたか?あるいは、何か刺激を受けたところがあれば教えてください。

うん、大いに刺激を受けたよ。GOJIRAとは結構長い付き合いになる。俺にとっては面白いニューメタル・バンドのひとつだね。LAMB OF GODとかDOWN、TRIVIUMなんかに近いと思うけど、GOJIRAの方がアンダーグラウンド感が強いかな。音楽にも惚れ込んでいるし、メンバーも、フランス人なんだけど、とても仲がいいよ。KVELERTAKも大好きなバンドで、いい奴らだよ。TURBONEGRO meets BARONESSに少しTHIN LIZZYを足した感じかな。すごくいい曲やリフを書くんだ。みんな人柄もいい。この2つのバンドとは2012年にオーストラリアを一緒にツアーしたんだ。Soundwave Festivalに出たのと、Sidewavesという名前のオフ・ショウがいくつかあってね。"すげえ"と思ったよ。本人たちにも言ったけどね。アメリカでもグレイトなラインナップになるんじゃないかって。で、アメリカでも一緒にツアーすることにした。10月にもまた一緒に回るよ。この前もほぼ毎晩ソールド・アウトだったからね。

-新作の幸先いいですね。

うん。フレッシュなバンド、フレッシュな顔ぶれ、フレッシュな音楽と揃っていてグレイトだった。とても楽しかったよ。

-そして、約3年ぶりにニュー・アルバム『Once More 'Round The Sun』が完成しました。今作の制作をいつ頃から始めたのでしょうか?今回は最初に具体的なアルバム像はあったのでしょうか?

まあ、常に曲は書いていたし、録音の仕方を学ぶにつれて......今はノート・パソコンでProToolsを使って、ツアー中でも曲を書いているんだけど、段々使い方もうまくなってきたから、それを駆使していたんだ。1年半くらいツアーに出ている間じゅうずっと、リフやアイデアを作り溜めていた。その後地元で6、7ヶ月オフがあって、その間は連日練習スペースに行って、曲をまとめたり、自宅の小さなスタジオで録音したりして、できるだけいいサウンドにしようとしていたんだ。そうやってできたのが20数曲あったかな。それを14、15曲まで絞り込んだんだ。新作にはそのうち11曲を入れた。20曲全部録音する時間がなかったから、じゃあこっちはまたの機会にとっておくか、みたいに決めてね。Nick Raskulineczがナッシュヴィルからアトランタに、車で4時間くらいかけて来てくれた。スタジオの俺たちと合流してくれたから、新しくできた曲を聴かせて......俺はリミックスや録音のやり直しをして、ヴォーカルを入れて、Nickが戻ってからはそれをナッシュヴィルに送ったら、"まだ準備ができていない気がするな。全部一度に思い切りプレイして歌えるようにしないと"と言われた。俺たちそういうやり方じゃないんだけど、と思ったよ(笑)。スタジオで組み立てたような感じだったからね。昔とはやり方が違うんだ。このバンドを始めた頃はみんなで毎日練習室に篭って、ひたすら一緒に曲を書いていた。全部書き上げてからスタジオに行ってレコーディングしていたんだ。でもそうすると、変化や成長の余地がなくなってしまうんだよな。だからちょっと変更可能な感じにしたんだ。主旨はあったと思うけど。Nickを"これが俺たちのやり方なんだ。まずはドラムスを録って、それからベース、ギター、ヴォーカル。そういうやり方なんだ"って説得したよ。そうしたらうまくいった。いい音に仕上がったと思うよ。

-今回Nickにお願いした理由は?彼はとても成功していますよね。

いつかは一緒にやりたいプロデューサー・リストみたいなのがあるんだ。過去数作でもNickとやりたいという案はあったけど、いつも彼が忙しいか、他の人が候補に挙がったかで実現しなかった。今回はNickから"今度のアルバムは一緒にやりたい。デモを聴かせてくれ"と熱望してくれたんだ。それで音源を色々送ったら"おお!これはぜひやりたい"と言ってくれて、俺たちのアルバムを手掛けるために他のプロジェクトを全部保留にしてくれたんだ。ナッシュヴィルで作業できたのはとても良かった。LAやシアトルみたいな遠くまで行かなくて済んだしね。彼はRUSH、DEFTONES......。

-FOO FIGHTERSもそうですよね?

そう。素晴らしいアルバムをたくさん手掛けてきた。しかも実際会ってみたらとてもクールな男なんだ。とても地に足が着いていてね。素晴らしい人間だよ。すべてがきっちりまとまって、うまくいった。

-制作中にはプロデューサーとはどんな会話をしましたか?

俺はギタリストだから、最高のギターのサウンドが出せるかどうか気になってさ。"本当にこれでいいと思う?"なんてよく訊いていたな。"大丈夫。俺を信じろ。絶対素晴らしいサウンドになるから"と言ってくれたよ。本当にいい音にするのには時間をかけたね。よく"おまえたちはファッキンにもMASTODONなんだぞ。今最高にビッグなメタル・バンドのひとつなんだから、それに相応しいものを作らないと"と言っていたな。"巨大なアルバムになるんだから1曲1曲に精通して、全員が同じスタンスで臨まないといけない"ってね。でも、俺たちは地元に帰るとみんなバラバラなんだ。俺には家族がいるし、Troy(Sanders、Ba/Key/Vo)にも家族がいるし、全員結婚しているから、メンバーとはもう顔を突き合わせているわけにはいかない。だから作業は勢いでやらないといけないんだ。Brent(Hinds、Gt/Vo)がBrann(Dailor、Dr/Vo)と何か書いて、一緒に録音して、歌って......と一気にデモを仕上げる。他のやつらより来るのが遅いメンバーもいるけど。(笑)。そういえばNickは"全員が歌と演奏をアルバムまる1枚分、最初から最後まで一気にやってもらいたい"なんて言っていたけど、あり得ないよ(笑)。"でもおまえたちはMASTODONなんだぞ。やらないと"なんて言われたけどね(笑)。だけどもうそういう風にはやれないんだ。今(曲単位で)録音したい、今準備ができているんだから。俺たちに言わせれば、俺たちがスタジオに入ったときが正念場なんだ。まとめないといけない。スタジオ代も払ってるし、時間的制約があるからね。実際ものすごく頑張って、そのとおりにやったよ。数え切れないくらいの時間を費やして、リフや曲を熟知して、すべてがパーフェクトに聴こえるようにしたよ。スタジオに入る時点では準備万端でいたいんだ。

-Nickがアトランタに来たと言っていましたが、ナッシュヴィルにも行ったんですよね。

そう。レコーディングはナッシュヴィルでやって、俺の自宅スタジオではドラム・ビートのタイム・コードなんかをやったんだ。できるだけ地元で過ごしたいからね。ここは4/4拍子、ここは120bpm......なんてマッピングをやったんだ。タタタタタ(ビートの音まね)なんて部分をね。Nickは最初にBrannをナッシュヴィルに連れて行って、ヘッドホンでギターを聴かせながら(ドラムを)録ったんだ。