INTERVIEW
SCREW
2014.04.16UPDATE
2014年04月号掲載
Member:鋲 (Vo) 和己 (Gt) マナブ (Gt) ルイ (Ba) ジン (Dr)
Interviewer:沖 さやこ
-音数が多いのにこれだけクリアなのはミックスのパワーなんですね。ヴォーカルだけでなく、全ての楽器が主役になるような音作りだとも思いました。
和己:バンドはそうあるべきだと思いますしね。誰かが引っ込んでずっとやっていくとか、聴こえないとか、そういうものはないようにしています。
-これだけ打ち込みの音が入っていると、ライヴでの再現が大変そうにも思えます。
和己:今もライヴでやっているんですけど、新曲なので他の楽曲に比べると完成度はまだまだ低いところはあります。この曲は複雑なので、もっとこれから同期とのバランスを毎回考えて、完成に近づけていますね。ライヴでの同期はほぼ全曲使ってるんですけど"CDの音を再現したい"という思いから使い始めたので、僕らにとっては当たり前のことですね。
-なるほど、ありがとうございます。最近のSCREWは英語詞を積極的に取り入れている傾向にあると思うのですが、今回も英語詞がふんだんに用いられています。
鋲:メロディ次第ですね。日本語より英語のほうが乗りやすいというのは曲を聴いたときにある程度わかるので。そういう場合はまず日本語の歌詞を書いて、それを英語のプロのかたにお願いをして、そこからやり取りをして歌詞を作るというパターンが最近は増えましたね。「FUGLY」も日本語だったらまったく別の曲に聴こえると思うんですけど、英語では遊びみたいなこともできるし。SCREWの楽曲は全部英語でもいいんじゃないかと思うような音だと思うし、でも日本語も大事にしたい。そのバランスを考えつつやってます。
-鋲さんにとって、英語でできることと日本語でできることの違いは?
鋲:んー、やっぱり"耳障り"だと思うんですよね。「FUGLY」は英語だけど日本語英語というか、日本人でも割と入ってきやすい言葉にすることは意識したので。そういうバランスはすごく考えますね。「FUGLY」はリード・トラックですし。昔はちょっと考えかたが違ったんですけど、最近は割と口ずさみやすいような、耳に入ってきやすいような歌詞を意識しています。
-歌に対する意識が今と昔では違う。
鋲:「FUGLY」はデモを聴いてメロディを入れていくなかで、ほぼほぼ最初に出てきたものを使っています。昔は"ここでこういうメロディ行くんだ!?"と思うようなものを作ろうとしていたんで、作ったメロディを後からいじったりしてたんですけどね。イントロや間奏の"Yeah! Yeah! Yeah! Yeah! Yeah!"も新しく録り直したんですけど、結局デモのものを使ったんです。だから素直な感じですね。出てきたものをそのまま出しました。
-それだけデモのものが良かったんですね。
鋲:もっとアレンジしていいものにしてやろうという気持ちが出てくるものだと思うんですけど、デモのものに勢いがあったんですよね。それが採用されました。
-タイトルは"Fucking Ugly"の略ということで。
鋲:いろんな理由があるので短縮した言葉にして。曲ができてメロディをつけて、歌詞を書いていくなかでパッと出てきた言葉です。SCREWはライヴを想定して曲を作ることが多いので、ライヴでもっと心の奥底まで解放しあって、もっとひとつになってぶつかり合って、醜い状況を作り上げることができたらいいし、もっと騒ぎ合っちゃっていいんじゃないかなと。うちらのライヴは台本通りやるようなものでもないと思うんで。ジャケットに関しても美しいものをどんどん汚していきたい、それは醜い、だけどそれが美しい。という意味合いからのデザインですね。
-なるほど。ライヴでは今よりももっとお客さんとぶつかり合いたいということですか?
鋲:そうですね。それができたらもっとひとつになれると思うんです。そういう状況になると自分たちの音が伝わっていると実感するし、やっていることに間違いがないという自信にもなるし。
-お客さんがライヴで歌える場所も考えられていますものね。
鋲:それはデモのときから意識してやりました。(お客さんの声が入ると)相乗効果というか、ライヴの2時間は、自分たちにしかできない特別なものになりますから。
和己:そういうものはずっと当たり前のようにやってきていることなので、そこまで深く考えたことはなかったんですけど......やっぱり気持ちいいですよね。僕らの歌を口ずさんでくれる、一緒に歌ってくれると気持ちいいし、その会場がひとつになるように思えるので。
-c/wの「呪縛は永劫に...」はシャウトのパートとメロディアスなパートのメリハリが効いている曲だと思いました。
ジン:この曲はSCREWの王道の楽曲なんですけど、やっぱり同じような曲を作ってもアレなので、プロデューサーさんと話し合って緩急をつけた曲にしたいなと思って。激しさも欲しいので、構想はデモの段階から"ここはシャウト""ここはメロ"というふうに決めていきました。僕らはライヴ映えする曲というか、ライヴで雰囲気が変わる曲が多いので、その差が欲しかったのもありますね。
鋲:デモのイメージは崩さずに歌詞はつけていって。すごく切ないメロディだったので、そういうものには今まで8年間やってきた、胸が締め付けられるような切ない歌詞が合うなと思って。まず耳に入るのはメロディだし、やっぱりメロディはこだわんないと。毎回〆切ギリギリまで詰められるだけ詰めてますね。納得できていないものを出すというのが苦痛だと思うので、時間内で納得できるところまで持っていって。その時期はすごく神経質にはなっていますね。メロディというものを大事にしているバンドです。