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INTERVIEW

SuG

2014.02.14UPDATE

2014年02月号掲載

SuG

Member:武瑠 (Vo) masato (Gt) yuji (Gt) Chiyu (Ba) shinpei (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-その"転機"はバンドにどのように作用していますか?

武瑠:服もいっぱい買ってきたりして、服の趣味も変わってきたのもあるし。このアーティスト写真そのままが、ニューヨークで出会ったかっこいいものなんです。もともとゴシックとグラフィティを混ぜたいっていうのはずっとあったんですけど、それをちゃんと"これがいい!"と思えたものを見つけて帰ってこれた感じがあって......このアーティスト写真とかこのスタイリングとかはかなり影響を受けています。(ヴィジュアル系という)ジャンル的に、ちゃんと衣装さんがいてちゃんと衣装を作らなければいけないという感じがあるんですよね。でもここ2、3年はずっと自分たちは私服しか着てなかったし、そういうのは要らないかなって。今回復活というタイミングで、お手伝いしてくれる人を交えながら、初めてちゃんと全部自分たちで決めました。かといって、よくあるロック・バンドみたいにTシャツ1枚にジーパン1枚みたいなのも嫌だったんで。......ヴィジュアル系とかロックとか関係なく、最初に自分が音楽に出会ったときにMVが好きと思った人たちが、いろんな衣装を着てたんですね。だから"見た目も格好よくなきゃやだ"というのは強くあったんで、今回は原点回帰です。高校生くらいの頃に好きだったことを、やっとできている感じがありますね。

-それはバンドを止めたからできたことでしょうか。

武瑠:そうですね。バンドを客観視できたのと、自分が好きなものって何だっけ?というのを考える時間が多かったから戻れた気がします。14歳の頃からパンク・ブームとかメロコア・ブームとか洋楽ブームとか、マイ・ブームみたいなものがどんどん変わっていって(笑)、たまたまバンドを始めたとき、ヴィジュアル系がマイ・ブームだったんです。だから始めるときはすっごく勉強が必要で。勉強しながらバンドをやっている感じで、立ち止まることなくずーっとやってきて、活動休止で立ち止まって、そこで"いままでで1番好きなものはどれ?"ってなったときに......結成最初やりたいと言ってたのはこのバンドとこのバンドとこのバンドを混ぜた音楽だなとか、いっぱい出てきて。それが「MISSING」になって、このアーティスト写真になっていきました。

-復活作のリード曲である「MISSING」は原点回帰の曲だと。

武瑠:個人的にはそうです。"SuG"っていうバンドを作ったときに描いていた構想があったんだけど"この(ヴィジュアル系という)ジャンルでこのアプローチでは戦えないな"とすぐわかったし。勉強しながら自分の得意なものを出していく......戦略的に戦略的にというふうに、頭で考えることが多かったんです。だからこの名前に相応しいバンドになりたいと復活のときに思って。それでバンドやEDMの人、アイドルとか、自分が好きな各ジャンルの好きな人たちを見てみて――その人たちに共通してるのが"感情が出ている人"で。"ああ、自分はこういう感じがやりたいんだ!"って。時間もあったんでゆっくりゆっくり、自分がもともと好きだったものに触れていって確かめるような感じでした。

-「MISSING」を作曲したのはyujiさんですが、この曲はどのように生まれたのでしょうか。

yuji:去年は何も考えずに漠然と曲をたくさん作っていて。そのなかで武瑠に引っ掛かってくれたのが「MISSING」だったんです。

武瑠:メンバーを集めて話してたのは"もうちょっとJ-POPみたいなサビがついてるINCUBUSみたいなのがやりたい"とか"もうちょっと重くしたORANGE RANGEがやりたい"とか"L'Arc~en~CielとDragon Ashが混じった感じ"とか"もうちょっとスタイリッシュなミクスチャー・バンド"とか、そういう絶妙なラインが多かったんですよね。それがさっき言った、結成当初にやりたいと思っていたこととハマったんです。ちょっと退廃的なムードがあるのにエモい感じで、パンキッシュで......本当にもともと1番やりたいものに向かい合った。音は多分"いまの自分じゃこれをやっても生きないな"みたいに遠慮してた部分もあったし、"もうちょっと可愛くてキャッチーでポップにしていたほうが立ち位置もいいし、ファンもそれを望んでるんだろうな"と思ってたし、周りのスタッフたちも"SuGはそうであってくれ"というのがあったと思う。でも、そういう縛りが取れたいまだからこそ、「MISSING」がやりたいなと思ったんです。それは活休中に違う経験をしたから思えたことだと思います。