MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

JAWEYE

2013.11.02UPDATE

2013年11月号掲載

JAWEYE

Member:上田 浩平 (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-それはご自身のギターを持たずに歌いたいという欲求なのでしょうか、それともバンドとしてそのほうがいいとお思いになったのでしょうか。

両方かなあ。意外と僕らの曲はメロディが大事で。『PULSE』のレコーディングをしていた頃から、定期的にヴォイトレもずっとやっていたんです。ヴォーカルにオートチューンが掛かっているとはいえ、しっかりがっちり歌でいろんな抑揚を出したいと思っていて。いいメロディがあったとしてもそれは"素材"でしかなくて、アウトプットするスピーカーが上質でないとより良いものに聴こえない。最近オーディオ・マニアになってきて、高めのヘッドフォン買ったんですけど、普通じゃ聴こえない音が聴こえてきて。良質なアウトプットによって素材の良さはもっと引き立つと思ったんです。アウトプットする体がいいものでないと、素材の良さを100%伝えきれないんじゃないかと思って。だから歌というものを改めて見つめ直していた時期ではありましたね。

-JAWEYEはライヴ感を大事に作品を作っている印象がありますが、歌を改めて見つめ直したのもライヴがきっかけだったのですか?

ライヴのときはしっかり歌おうというよりは、バシンと体全体で表現していくことを考えているんで、作品ですね。曲として"もっとかっこいい曲にしたいな"と。それはフレーズやメロディで何とかできるものじゃない。"すごくシンプルな旋律なのに、なんでこの曲こんなにいい曲なのかな?"と思う曲は、ヴォーカリストの歌が優れているなと思うことが多くて。そういうアウトプットしていく能力によって、全然ものが変わってくるなと思ったんですよね。だから作品としていいものを作りたいというのが動機かもしれないです。

-『PULSE』はいろんなタイプな曲があるアルバムだと感じたのですが、今回はそうでありながらもどの曲にも統一感がある印象もあって。

そうかな? 俺は結構バリエーションがあるかなと思ったけど(笑)。でもバンドを続けていることによる連帯感はあると思います。JAWEYEもなんだかんだ4年目になって、歌の出方、ギターの歪み具合、サウンド・アプローチに関しても"JAWEYEはこういうものです!"という、自分たちなりのスタンダードが出てきたから必然的に統一感が生まれてくるのかな。今回は3人コンポーザーがいるけど、みんな(向かう方向が)ずれてないんです。広祐が初めてほぼ完パケの状態で持ってきた曲が今回の「Alternative World」で。いままでは多分"浩平さんとモロさんにやってもらったほうがいいんじゃないか"みたいに遠慮してたところもあったと思うんですけど"いいから作れ! 時間もねえんだから!"ってけしかけて(笑)。そしたら案外メロが綺麗な歌ものを持って来たんです。それはJAWEYEで演奏する、俺が歌うということを意識して作っているということで。個人プレイになっちゃってもばらつかないでいい曲が作れたから、バンドとして1枚強くなれたなと感じますね。"JAWEYEとしてのありかた"をみんながわかってきた。

-なるほど。今作では連帯感も強まって、かつ広祐さんの成長もあり、上田さんは更に歌に対する意識も高まったということですね。

歌に関しては、発信する機能が良くなれば曲がどれだけ良くなるかがわかってきた。「Alternative World」は、オートチューンも弱めにしてかなり歌をはっきり歌っている......歌っぽく歌っているようにしてます。ただ、自分のなかには課題がたくさんあって。もっと歌で表現したい、歌で引っ張っていきたいという思いはあるんですけど、いまの段階でJAWEYEがそこにアプローチしかけている曲になっていると思います。今回でちょっと前に進めた気がしたから、次はもっといいものができると思うし、いままでの曲ももっと良く聴かせられるんじゃないかなと。本当にいままでなかった、めちゃくちゃバラードな曲とかも作って、歌を更に表現できればと思いますね。

-楽しみです。リリース・ツアーもいままでとは違ったアプローチもたくさん見られそうですね。

そうですね、いろんなものが見られると思います。今回は我々としても自信がある曲たちなので、ライヴに来たときにはもっとこの曲たちが良くなっていると思うんで期待して来てもらえたらいいなと思います。曲に対する理解力も上がったし、メンバーみんなが作っているときからそこを意識していたから、多分JAWEYE史上いちばんいいツアーになるんじゃないかな。いい形で新曲たちをライヴで披露できる、そんな予感がしています。