INTERVIEW
AFI
2013.10.13UPDATE
2013年10月号掲載
Member:Davey Hovak (Vo)
Interviewer:山口 智男
-全般に、かなりダークなテーマになっているようですね?
うん。正にそこに一貫性を見たと言うか、無意識にそういう歌詞を多く書いている自分がいたということだけど。要は今の自分......当時の自分を表していると言ってもいい。基本的に僕は、嘘のない真実を踏まえて書いてきたつもりだし、そうすることが自分にとってのカタルシスになっている。だから、同じ時期に書いた歌詞にテーマ的な一貫性が見られるのは当然と言えば当然なんだ。
-あなた自身、新作は個人的で正直な作品だと語っているようですが、それは今までと比べて特にそう感じるんですか?
今まで以上に個人的で正直だ、とは必ずしも思わない。ただ、今までで最も率直で直接的だとは思う。そして、そういう意味では最も傷つきやすいと言ってもいい。
-と聞くと、あなたが何か大変な思いをしていたのではないか、と心配になってしまうんですけど。
残念なことだよね。ダークなアルバムはできるなら発表せずに済ませたいところだけど、それが僕らに最も期待されているものでもあるんだよね。こういう性格のものを世に送り出すのが僕ららしいと思われているところは多かれ少なかれあると思う。けれど、不幸にして僕は、さっきも言ったように自分に嘘のないところから歌詞を書くことしかできない。そうでないことをやろうとしたら、良いものができても本物にはならないように思うんだ。
-辛いところですね。
ふふふ。
-ちょっと話は変わりますが、アートワークに使われているロゴについて教えてください。前作に続いて三角形がシンボルマークになっているようですね?
え?
-前作はピラミッドのなかにハートが描いてあって、今、バンドのウェブサイトには逆三角形があしらってあるでしょう?
そうだったっけ?(何かをペラペラめくって見ている様子) あぁ、わかった。これか。いや、アイコンはいろいろ使っているからな。実は僕はあまりちゃんと把握していないんだ(苦笑)。でも、ほら、三位一体っていう考え方もあるように、幾何学的にも三角形というのは最も基本的で安定した形とされているだろ? 90年代に遡れば、そんなところからアイディアを得て、使いはじめたモチーフだったと思う。でも今はそこまで意識して使ってはいないんだ。
-そうでしたか。ファンというのは深読みするものですから。
そうだね。たぶん彼らの方が僕なんかより素晴らしい解釈を持っているんじゃないかな。
-とりあえず、BLUE OYSTER CULTとは関係ない、と(笑)。
あははは。いや、言ってることはわかるよ。実は僕も今、これを見てそう思った(笑)。でも関係ない。
-では最後に、来日の可能性について教えてください。
日本のみんなが僕らを観たいと言ってくれるなら僕らは喜んで行く。
-前回の来日について覚えていることはありますか?
うん、とにかく楽しかった。ショッピングの印象が強いんだよな。前回、日本で買ったスーツが未だにお気に入りの1つでさ。実は日本のデザイナーのものではないんだけど。日本のデザインも大好きなんだけど、外国のデザイナーのものを、たまたま日本で見つけて買ったのがあって。その時のオシャレな街並みや店の感じはよく覚えている。あと、僕はヴィーガンなんで食べ物に苦労したのも思い出だよ。それでもいくつか食べられるレストランを見つけて、豆腐のレストランは最高だったな。できたての豆腐を出してくれるところだったな。
-最近はヴィーガン食対応の店も当時よりは増えていますよ。
それはいいニュースだ(笑)。初めての日本では本当に苦労したから。実は友達でヴィーガンのシェフをやってる奴が、つい最近、休暇で日本に行ってきたんだ。そいつがちゃんと食事していたということは、たぶんいい感じなんだろうと思う(笑)。とにかく、早いうちに日本でみんなと会えるといいな!