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INTERVIEW

NICKELBACK

2012.12.14UPDATE

NICKELBACK

Member:Chad Kroger (Vo) Daniel Adair (Dr)

Interviewer:KAORU

-あなたたちのやり取りが面白すぎてツボにはまりました(笑)。それでは最新作の『Here And Now』についてお聞きします。この作品を改めて振り返ってみて、NICKELBACKにとってどのような立ち位置、意味合いも持っているアルバムだと思っていますか?

D:どのアーティストにも言えることだと思うけど、今の自分たちの状況が反映されているアルバムだと思うよ。歌詞を読むと、Chadの現状がわかると思うんだ。

C:何言ってんだよ(笑)。『Here And Now』は、とにかく曲の幅が広いよね。メロディにしても、「Lullaby」みたいなものもあるし、「This Means War」みたいなヘヴィな曲もは入ってる。これ以上やりようがないんじゃないの?ってくらい、1つのアルバムの中にいろんな要素が詰め込まれているんだ。このアルバムは、“どの子が好き?”って言われても選べなよってくらい、種々様々な良さがある。これまでのNICKELBACKのアルバムの中でもかなりの自信作だね。毎回新作を作る時は、前の2~3枚のアルバムを聴き返す作業をするんだ。メモリーバンクを辿るような感覚でね。で、毎回驚くんだよ。いいメロディだったじゃんて……。 (突然携帯電話を見て)オッオー!ママから電話がかかってきた(笑)!

D:マジか(笑)!

-大丈夫ですか?電話に出ては?

C:ごめんごめん。ママは大丈夫さ!いつも“今どこにいるの!?”って電話してくるんだ(笑)。

-そうなんですね(笑)。それでは激ロックでは初めてのインタビューとなりますので、改めてNICKELBACKの歴史を振り返る質問をさせていただきます。NICKELBACKが初めてアルバムをリリースしたのは96年の『Curb』でしたが、その時代のロックはアメリカではグランジ以降、イギリスではブリットポップ以降という時代の分かれ目だったと思うんですけど、NICKELBACKはその頃、どのような気概を持って活動していたのでしょうか?

C: 96年当時は、周りのことなんて気にしてなかったんだ。とにかく自分たちのやりたいことをやってきただけ。それがクールとされる時もあったり、そうでない時もあった。でもファンは着実に増えていったし、なんかうまくいってるんだよね(笑)。その時のシーンの状況って言うと、実情を把握してる人は未だにいないんじゃないかなぁ。

D:90年代のロックに立ち返るスタンスだったんじゃないの?

C:そうかな?俺はその辺の自覚はなかったな。とりあえず、気が付いたら周りにいたのがBritey Spearsとか、BACKSTREET BOYSとか、ポップ!ポップ!ポップ!な世の中だったんだ。で、その中で俺たちは我が道を進んできたんだけど、気が付くと今度は、何故かロックばっかりな世界になってた。KORN、LIMP BIZKIT、DEFTONES、あとCREEDがアメリカを席巻していたり。3DOORS DOWNやPUDDLE OF MUDDとかもいたね。その中で俺たちがリリースしたのが『All The Right Reasons』ってことになるのかな。その後、また気が付くと、今はJustin BieberとかKanye WestとかLADY GAGAとかKaty Perryとか、そんな世の中になってるだろ?まあ、そんな紆余曲折なシーンで、俺たちはクネクネと渡り歩いてきたってとこかな。

D:だから俺たちはヨーロッパに行ったんだ(笑)。

-今だから言えるような、バンドの危機を感じた瞬間などはありました?

D:俺が入る直前かな(笑)。

C:ハハハ(笑)。いや、でも結局、着実に我が道を行きながら世界を回ってきたからね。

D:うん、俺たちは結局、冷静なんだろうね。

C:そうだね。メンバーは4人いるから、誰か1人がおかしくなっても、必ず誰かが引き戻してくれるし。もちろん、ツアー先ではプレッシャーが大きいから、感情が不安定になることもあるけど、メンバーだけじゃなくて、クルーとかマネージメントとかのサポート・システムがあるから、頭を冷やして謙虚な気持ちに戻れるっていう環境があることに救われてきたよ。

-なるほど。その冷静さが成功の秘訣だったのでしょうね。因みに、ビルボードの年代別ヒットシングルチャートを70年から11年まで振り返ると、所謂ヘヴィ・ロックのバンドでトップを飾ったのは、02年にリリースされたNICKELBACKの「How You Remind Me」だけなんですよね。これって本当に凄いことで。

C: (拳を上げて喜ぶ)マジで!!!!!????知らなかった!!!!!!ワオ!!!!!!

D:だから愚痴を言う度に、文句を言うなって言われちゃうんだろうね(笑)。

-その成功の重圧に押しつぶされることはなかったんですね。

C:うん、そもそも俺たちはみんなのお手本になるようなバンドじゃないしね(笑)。

D:成功する前は、自分の行動はあくまで自分のものでしかなかったんだけど、バンドが大きくなっていくにつれて、自分の行動がバンドの責任になったり、メンバーだけじゃなくてスタッフを含めた“NICKELBACK”っていうものに全て返ってくるってことがわかったから、慎重にはなったし責任感は伴うよ。あとは個人的に、ワイフに対しての責任。ロック・スターが旦那だと、“騙されたんだろ?”とか、“どうせドラッグとかやってるんだろ?”って、周りから思われてるんじゃないかな?って感じてたりするんだ。そんなありがちな推測に対して、その時々で、俺はそうじゃないって証明しなきゃいけないんだ。家族の為にね。やたらと誰に対してもナイスに接する必要はないし、普通に接していればそういう人間じゃないって分かってもらえると思うんだ(笑)。まあ、機嫌が悪くて今は話したくないって思っても、それが俺の身近な人の為にならないって考えると、ストッパーはかかるよね。

C:そうそう。だから、もし酔っ払ったりして問題が起こりそうになったら“俺はNICKELBACKのドラマーだ!”って言い張るんだ(笑)。