－ちょうど北米ツアーが終わったところでしょうか？ 5月からオーストラリア・ツアーが始まってその後、来日となるわけですが、『No Fixed Address』をひっさげてのツアー、楽しんでますか？

絶好調だよ！ 北米ツアーは2月中旬から始まったんだけどすごく反応が良くて、オーディエンスも最高だよ。前のツアーは随分前のことになるけど、そのとき以来行っていなかったところにも行ったんだ。特にカナダのね。カナダでやるのは俺たちにとってはふるさとに帰るようなものなんだ。他にも日本みたいなスペシャルな場所に行けるし......早く行きたくてウズウズしているよ。

－新曲に対する観客の反応はいかがでしょうか？

ものすごくいいよ！新曲がみんなにとって馴染みのあるものになってきた、ちょうどいいタイミングでのツアーな気がしているんだ。時にはツアーに出るのが早すぎて、オーディエンスが曲に慣れていないことがあるんだ。そうすると困惑させてしまうんだよね。でも今回は（リリースからツアーまで）ちょうどいい期間があったんだと思う。みんなよく曲を解っているからライヴで聴く心積もりができていて、歌詞もちゃんと覚えているから一緒に歌ってくれるんだ。最高だよ。

－すでにシンガロングが始まっているんですね。いいことですね。

イエス！（嬉しそうに）

－『No Fixed Address』は長年、在籍したRoadrunner Recordsを離れ、新たに契約したRepublicからの第1弾アルバムでした。移籍第1弾ということで、『No Fixed Address』を作るにあたって、心機一転とか、新たなスタートになるような作品にしようとか、そういう気持ちはあったのでしょうか？

Universal Republic Recordsと契約したからどう、という感じでは特になかったな。それよりもスタイルの幅をもっと広げたり、新しいアイディアを試してみたいという気持ちの方が強かった。どういうものができるかなと思ってね。それまでやっていなかったことをやってみようと思ったんだ。例えば「She Keeps Me Up」みたいなファンク・ソングを書いて録音してみようとか、Flo Ridaのようなラッパーを参加させてみるとかね。あれも興味深い試みだったな。

－実はその2曲のことを質問しようと思っていたんですよ。今回の2大チャレンジだったと思うので。

そうだね。それまで全く足を踏み入れたことのなかったテリトリーだったからね。その手のことはやったことがなかったけど、ちょっとやってみようかと思った。「She Keeps Me Up」はファンクのチューンを書いてみようと慎重に考えた結果なんだ。とにかくシンプルでディープな、いいグルーヴのあるものを作ろうと思ってね。Flo Ridaとやった「Got Me Runnin' Round」の場合は、半分くらい曲を書いたところで、Chad（Kroeger）がFlo Ridaにその半分を聴かせる機会があったんだ。そうしたらFloが"俺も参加していいか？続きを書いたりラップしたりしたいんだ"と言ってきた。それにChadがイエスと言ったんだ。ビッグなサプライズだったよ。計画には全くなかったからね。そのときはレコーディングの合間の休暇で、俺は自宅にいたのを覚えている。Chadは他のメンバーにすべて秘密にしていたんだ。俺が休暇を終えてLAに戻って、レコーディングをやっていたハリウッドの家に行ったら、Chadが"お前にサプライズがある"なんて言うんだ。"へえ。何だろう？"と言いながらふとパソコンの画面を見たら、"Got Me Runnin' Round ? Flo Rida"なんて書いてあるんだぜ！"何だよそれ！！！"と思った。最初はちょっと躊躇したね。そのアイディアを気に入ってしまうものではないと思っていたような気がする。あまりに大きな変化だから抵抗があったというか。でもトラックを聴いてみたら、それがとにかく素晴らしくてさ。さっさと心変わりしたよ（笑）。

－普段、ラップも聴くんでしょうか？

俺は少しは聴くね。他のメンバーは誰も聴かないんじゃないかな。若いころは全員聴いていたけど。BEASTIE BOYS、RUN DMC、NWAとか。俺はそういうのを聴いていたね。でも今は誰もたくさんは聴いていないんじゃないかな。

－ラッパーをフィーチャーしようというアイディアが出たとき、反対意見は出なかったのでしょうか？

まぁ、最初に"Flo Ridaを起用しよう"なんて話になったときは、みんなあまり乗り気じゃなかったような気がするね。でも曲を聴いただけで気が変わった。他のメンバーも多分最初は不安だったと思うけど、俺は聴いた途端に大好きになったね。

－「She Keeps Me Up」や「Got Me Runnin' Round」に驚いたファンもいると思うんですけど、周囲の反応や感想は？

そうだね。俺たちにとっては間違いなく大きな変化だったと思う。方向性が全く違うからね。でも今のところ、ファンたちは受け入れてくれているよ。