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FEATURE

NICKELBACK

2022.11.14UPDATE

ヘヴィ・ロック・シーンの超ヒットメーカー、NICKELBACKの記念すべき10thアルバム、痛快な脱獄劇をイメージした、パワフルな王道スタジアム・ロック!

Writer 山本 真由

1,000万枚以上を売り上げ、世界中でチャートを席巻した名盤『Silver Side Up』(2001年)から早20年以上、これまでに数々の功績を残してきた、カナダが誇る世界的ロック・バンド NICKELBACK。2000年代以降、王道でわかりやすいスタジアム・ロックがあまりヒットしないここ日本においても、ヘヴィな楽曲から泣かせるバラードまで使い分ける幅広いサウンドで、確固たるファン・ベースを築いてきた。そんな彼らが、前作『Feed The Machine』(2017年)以来、約5年ぶりとなるニュー・アルバムをリリースする。

NICKELBACKは、1995年カナダの小さな町 アルバータ州ハンナにて、Chad Kroeger(Vo/Gt)とMike Kroeger(Ba)の兄弟と幼馴染のRyan Peake(Gt/Vo)の3人を中心に結成。1996年には1stアルバム『Curb』を完成させ、本格的に活動をスタートさせる。そのあと、3rdアルバム『Silver Side Up』が当時のラウドロック・シーンの盛り上がりとも重なり、キャッチーなハード・ロックにグルーヴィなニュー・メタルの要素も織り交ぜたサウンドが世界的に注目を浴びることとなる。そこで実力を示したあとも、次々とヒットを飛ばし続け、5thアルバムの『All The Right Reasons』をリリース後、Daniel Adair(Dr/Vo/ex-3 DOORS DOWN)もメンバーとして加わり、堅実なドラム・プレイだけでなくコーラスでも実力を発揮するなど、ライヴでの発信力もさらに大きくなってくる。これまでに9作のスタジオ・アルバムをリリースし、ビルボード・ミュージック・アワードをはじめとした数々の賞を受賞。フェスだけでなく、単独公演での来日公演も成功させている。

そんな彼らが、記念すべき10作目となるニュー・アルバムをリリースする。"Get Rollin'"と題された今作は、モダンなラウドロックだった前作と比べると、プリミティヴでシンプルなハード・ロックに回帰した印象で、暗く沈んだ世界の空気に喝を入れるような、爽快感のある作品に仕上がっている。
ちなみに、今作はカリフォルニアのサン・クエンティン州立刑務所の看守に、Chad Kroeger が実際に会って話をし、そこから着想を得て描いた想像上のストーリーが歌詞になっているという。サン・クエンティン刑務所は、凶悪犯が数多く収容されている悪名高き刑務所だが、METALLICAのヒット曲「St. Anger」のミュージック・ビデオに使われていることでも有名な場所だ。

そしてこのニュー・アルバムは、そういういろいろな意味で、ドラマチックな舞台を背景に持ったサン・クエンティン刑務所をタイトルに据えた楽曲「San Quentin」でスタートする。曲調は、イケイケな王道ハード・ロック。スカッとする脱獄劇のようにパワー漲るナンバーだ。続くTrack.2「Skinny Little Missy」もずっしりとヘヴィなサウンドで勢いを繋ぎ、メロディアスなTrack.3「Those Days」でしっとりと聴かせる流れもNICKELBACKらしい。そして、古き良きロックンロールを軽快にアレンジしたTrack.4「High Time」、またまたヘヴィに舵を切ったグルーヴ・メタルのTrack.5「Vegas Bomb」、浮遊感のあるポップなナンバーのTrack.6「Tidal Wave」と、聴く者を飽きさせない構成でグイグイと進んでいく。個人的には、Track.7「Does Heaven Even Know You're Missing?」のようなNICKELBACK節の効いたバラードがあるのも嬉しい。Chad Kroegerが滔々と歌うバラードにはやはり、ジャンルを問わずリスナーを惹きつける普遍的な魅力がある。

そこから、余韻を引きずるようなスロー・テンポ且つパワフルなナンバーのTrack.8「Steel Still Rusts」で間を繋ぎ、Track.9「Horizon」のエモーショナルな泣けるメロディ、さらにポップでキャッチーなTrack.10「Standing In The Dark」に落とし込む。そして、いい感じにテンションを上げていったところでラストはTrack.11「Just One More」。主張しすぎずメロディに調和するギター、幾重にも重なったコーラス、シンプルなリズムでも要所でしっかり盛り上げるドラムとベース。NICKELBACKというバンドの確かなテクニックを見せつけ、且つ広いスタジアムで反響する音を意識したようなライヴ映えする楽曲だ。

バンドにとっては10作目というひとつの節目だが、今作は実直な彼らの個性がそのまま出たような、奇をてらうことのないストレートなロック・アルバムだ。COVID‑19によるパンデミックや不穏な社会情勢、それに振り回され動揺する世界経済など、暗いニュースが続くなかで、カラッと晴れ渡るカリフォルニアの空のように爽快なこのロック・アルバム『Get Rollin'』は、可能性に満ちた音楽の力で私たちの日常に活力を与えてくれるだろう。


▼リリース情報
NICKELBACK
ニュー・アルバム
『Get Rollin'』
nickelbackgetrollin.jpg
2022.11.18 ON SALE!!
WPCR-18558/¥3,080(税込)
amazon TOWER RECORDS HMV
[WARNER MUSIC JAPAN]

1. San Quentin
2. Skinny Little Missy
3. Those Days
4. High Time
5. Vegas Bomb
6. Tidal Wave
7. Does Heaven Even Know You're Missing?
8. Steel Still Rusts
9. Horizon
10. Standing In The Dark
11. Just One More

※デラックス盤ボーナス・トラック
12. High Time (Acoustic)
13. Does Heaven Even Know You're Missing? (Acoustic)
14. Just One More (Acoustic)
15. Horizon (Acoustic)

※日本盤限定ボーナス・トラック
16. Steel Still Rusts (Acoustic)

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