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INTERVIEW

FAIL EMOTIONS

2012.08.07UPDATE

2012年08月号掲載

FAIL EMOTIONS

Member:Vlad “Akimoto” Akimov (Vo)

Interviewer:MAY-E

-ロシア出身だそうですが、あなた方のようなバンドがロシアから誕生したことにとても驚いています。ロシアには、どのようなロック・シーン/クラブ・シーンがあるのですか?あなた方の活動しやすいロック・カルチャーは根付いていますか?

ロシアのロック・シーンは"家なき子"みたいなものだよ。ロックの進化に投資しようなんてヤツなんて誰もいないんだ。ロシアのロック・カルチャーは何も生み出す気がなくて困窮しているよ。だから、アンダーグラウンドなミュージシャンやそのファンたちは自らシーンを開拓していかなくちゃならない。もちろん、ロシアにも大きなロック・フェスはあるよ。TVでミュージック・ビデオの放送もあるし、有名なロック・ミュージシャンとして地位を確立したロック・ミュージシャンもロシアにはいるけど、彼らの音楽はもはや今時じゃないし、将来性もないよ。

-トランス・ミュージックとメタルコアがミックスしたFAIL EMOTIONSのサウンドは、まさに"トランスコア"と呼ぶに相応しいですが、トランス・ミュージックとロックを融合させようと思ったそもそものきっかけは?

何て言ったらいいかな。僕らはただ重いリフとモダン・エレクトロの融合が好きなだけなんだけど、厳密に言うと僕らはトランスというジャンルだけではないんだ。ジャンプ・スタイル、ドラムンベース、ダブステップさらにレゲエ、いろんなエレクトロ・スタイルを試みてるからね。僕らメンバーそれぞれ好みのスタイルがあって、それを掛け合わせてひとつの音楽を作るんだ。そうして出来上がったものを僕らは"これが僕らの待ち望んでいたもの!"だって思っているんだ。

-現在の音楽性は、バンドの活動を進めていくうちに自然と完成したものでしょうか? それとも、明確なサウンドのイメージを持ってバンドを結成したのですか?

さっきも言ったけど、僕らはいろんなスタイルの融合に挑戦し続ているんだ。僕らはこうでなきゃいけないってスタイルやサウンドにこだわる気はないよ。2ndアルバムでは、僕ら独自のユニークなFAIL EMOTIONSサウンドを聴いてもらえると思うよ。

-また、バンド結成までの経緯を教えてください。

ドラムのTamaとDJのFatalが唯一のオリジナル・メンバーなんだ。Tamaはミュージック・スクールを卒業した16歳の時にFAIL EMOTIONSとは違うバンドを始めたんだ。TamaとFatalがこのバンドを結成したのは2008年、その後2011年までメンバー・チェンジを繰り返して今に至るよ。

-制作の全工程がセルフ・プロデュースとのことですが、メンバー7人それぞれにどのような役割を担っているのですか?

アルバム全体のサウンドはDJのFatalによるものだよ。ギターもエレクトロも彼が初めにレコーディングしたり、リミックスも彼の担当なんだ。ヴォーカルのKiraはバンドのすべてのデザイン関係や、バンドのヴィジュアル面を担当してるんだ。例えば、アートワークにバンド・ロゴ、アーティスト写真とかね。僕はディストリビューターや出版社、契約に関わることの交渉係で、僕らが楽曲を提供したゲームの"RockBand 3 DLC"との契約をまとめたのも僕なんだ。ドラムのTamaはツアー先の主催者や都市の関係者とのブッキングを担当しているよ。残りのメンバーも他の仕事をこなしたり、曲作りをしたり、お互いが助け合っているんだ。

-『Transfornation』というアルバム・タイトルにはどんな意味が込められているのですか?

最近、世界は"トランスフォーマー"のようだと思うんだ。僕らは新しい情報システムの中に組み込まれ、それは僕らの生活を一変させてしまった。世界は姿を変えてしまったんだ。同時に、人やすべての国も変わってしまった。戦争、貿易、職業は変わり、情報は変貌した。こうしたことへの想いがアルバムに込められているんだよ。

-バンド・サウンドとエレクトロが高次元でミックスされており、まるで未来の世界に飛び込んでしまったような感覚さえ覚えます。サウンド面で特にこだわった点を教えてください。

僕らは"未来の世界"を目指していて、それが僕らが探しているサウンドだよ。君がそう感じてくれるなら、僕らが進んでいる道は間違っていないってことかな。サウンドについては話したいことがいっぱいだよ。僕らが一番こだわりたいことは音質なんだ。音質にこだわることはロシアではすごく難しいことなんだ。音質にこだわってのレコーディングは費用がすごくかかるんだよ。僕らにはスポンサーがいないし、すべて自分たちでまかなわなければいけないから、ここは少し辛いとこかな。

-今作は、本国では2010年にリリースされておりますが、地元のファンからどのようなリアクションが寄せられていますか?

前述で君は僕らみたいなバンドがロシアから生まれたことに驚いたって言ったけど、ロシアのみんなも同じで、僕らがロシア人だってことに驚いているよ。『Transformation』はみんなから好評価をもらっているよ。