INTERVIEW
ALL OFF
2012.08.03UPDATE
2012年08月号掲載
Member:松浦 奏平 (Vo)
Interviewer:MAY-E
-カリフォルニアにいる頃はバンドをやったり音楽に触れたりしていたんですか?
全く興味がなかったですね。僕は高校生まで漫画家になりたかったので、漫画ばっかり描いていました。なので音楽の道に行くとは思ってなかったですね。
-ちなみに漫画家になりたいと思ったのはいつ頃なんですか?
アメリカでも日本の漫画が買えるんですよ。ただ、手に入る数も少なかったのでそれがすごく貴重なものに思えて、当時流行っていたのがドラゴンボールだったんですけど、ドラゴンボールが好き過ぎて鳥山 明になりたいなって思って漫画とか絵ばかり描いてましたね。アメリカにいたので逆に日本の物、ミニ四駆とかに憧れてました。
-そこからバンドへと切り替わったきっかけのような出来事があったのでしょうか?
高校のときに友達が文化祭でバンドをやると言ってて、全然興味は無かったんですけど観に行ったんです。そしたらガーンと一音目で生のドラムとギターとベースがまとまって聴こえてきて、“これはやべぇな”って思ってこんなにカッコいいものが世の中にあるんだって衝撃を受けたんです。それで来年の文化祭は俺らも出ようっていうことで、仲の良い友達を集めて実際に次の年の文化祭に出たんです。そこから先はバンドのことしか考えてないですね。あの衝撃は忘れないですね。
-1つの具体的なバンドというよりかは、ライヴで生の音を聴いて衝撃を受けたということですね?
とにかく衝撃というか、こんなにカッコいいものが世の中にあるんだなって衝撃を受けましたね。
-ALL OFFは全編英語詞ですが、やはり英語のほうが楽曲に馴染むからでしょうか。日本語を取り入れることは考えていないですか?
日本語は今後チャレンジして行きたい分野ではあるんです。英語で僕が書いてるのは、楽曲に馴染むということもあるんですけど、英語で歌詞を書くのは僕にとっては自然なことで、英語の方がこういうニュアンスで歌いたいというのがサラっと出てくるんです。なので無理して英語で書いてるとか、洋楽への憧れで書いているというよりは自分の出したいニュアンスを英語で自然体で出せるからなんです。ひょっとしたらそこら辺は他のバンドとは出だしが違うかもしれないですね。すごく自然な形でやっていて、逆に日本語で書いたことがないので、今後チャレンジして行きたいと思ってます。多分そっちの方が自分にとっては難しいと思うので。
-作詞もされているじゃないですか、そのときに考えるきっかけとして日本語で最初は考えて英語で直すのか、元々そのまま英語で出てくるものなんでしょうか?
英語で出てきますね。英語でバーッと出てきて日本語でこういうことを言いたいんだよなって思い浮かべて、英語だったらこういうニュアンスだなって当てはめるというやり方ですね。不足している部分だけを日本語で先に考えてそのニュアンスを探すという感じです。なので出だしから英語ですね。
-ミニ・アルバム『Start Breathing』のリリースおめでとうございます。前作『From Midnight To Sunshine』から約2年ぶりのリリースですが、いつ頃から曲作りをはじめていたのですか?
今年に入ってからなので結構新しいですね。去年の時点で自主の2曲入りのシングルを出していて、そこに到るまでは曲をちょいちょい自分たちで作ったりはしてたんですけど、具体的に作品にしようという目標はなかったので、新しく書き始めたのは今年に入ってからですね。前作を書いたときに燃え尽きるぐらい魂を注ぐじゃないですけど、集中し過ぎてしばらく曲を書く気になれなかったんです。本当はそれっていけないことだと思うし、次々書いていって活動していってというのが当たり前だと思うんですけど、そういうことがよく分かっていなかったということもあって。とにかく良い作品を産み落としたのでこれを長く売って生きたいという意識があったので、今作の曲は今年に入ってから作りました。
-今作『Start Breathing』はエモーショナルで、疾走感のある作品に仕上がっていますが、具体的にどのようなサウンドを目指して制作されたのでしょうか?
前作が音を色々重ねて、試行錯誤しながら音を練り上げて作ったような作品だったんです。結構頭で作ったという感覚があって、まだ全国ツアーとかも全然やったことがない状態で作ったので、頭の中だけの世界がそこにはあったんですけど。全国を周って色んなお客さんと触れて、もっと自分のパッションというか感情の部分をもっと出さなきゃ駄目だなと思ったんです。なので今作は逆に良い意味でも悪い意味でも、バンドが持っている素の状態、荒さとか勢いというのを頭で深く考えすぎずに出そうと考えてました。なのでスローなナンバーが1曲も入ってないですし、7曲入りのミニ・アルバムということだったので、変にバランスとかに拘らずに飛ばして終わりにしようという。なので曲も全部3分半ぐらいの尺で収めて、展開もかなりシンプルに削ぎ落とした部分も多くて。結構僕らは“難しい曲調だよね”と言われることが多かったんです。僕は意外だったんですが、確かに周りに比べたら良い意味でのシンプルさというのが足りなかったなというのがあって、今後目指す方向の材料として、そういうのは欲しいと思ったので今回はシンプルさだったりとか良い意味での荒さが前作に比べると勢いもありつつ、細かい部分が色んな音が重なっているという感じはないんですけど、それが逆に今回目指したところでしたね。