INTERVIEW
LIGHT BRINGER
2012.01.13UPDATE
2012年01月号掲載
Member:Fuki(Vo) Hibiki(Ba)
Interviewer:ムラオカ
-HibikiさんはDREAM THEATERのアルバムで言うと何が一番好きなんですか?
H:やっぱり……いや違うな!1st『When Dream and Day Unite』ですね。
-渋いところを付いてきますね。ヴォーカルがJames LaBrieに変わる前ですね?
H:そうですね。Charlie Dominiciというヴォーカルですね。みんな2nd『Images and Words』や『Metropolis Pt. 2: Scenes from a Memory 』が良いって言うんですけど、やっぱりあの1stのあの“いなたい”ちょっとチープな音でハイが無い感じもまた良いんですよね(笑)。
-なるほど(笑)。僕も1st好きですよ!
ところで作曲は皆さん1人でするのでしょうか?
H:そうですね。みんな大方、シーケンサーで曲の構成もあらかた作ってきたものを、自分と揉んで変えられるところは変えて、変えないところは変えないみたいな感じですね。
-アルバム通して、Hibikiさんのベース・プレイはかなりテクニカルですね?
H:今作はもうかなりやりまくってますね(笑)。前作が結構へヴィでメロディック・メタルみたいなところが多かったので、割と刻みに徹していた部分があるんですけど、今回はかなりアグレッシヴに動くベースを弾いてます。やっぱりその辺はこだわりですね。作曲でも個性を出したいというのと同時に、やっぱりベーシストなのでそこで一番勝負したいなと思っていて、常にテクニックをどう邪魔せずに盛り込むかということを考えています。
-バンドのサウンドは壊さずに……
H:そうですね。ひけらかしになっちゃうと、どうしても曲が崩壊してしまうので、そうならないギリギリのバランスでのせめぎ合いなんですけど、くどくならないように隙あらば盛り込んでやろうって(笑)。特に「ark」は1曲通して丸々弾き倒してます。ライヴでどうしようみたいな(笑)。基本はベースで作らないんですよ。シーケンサー上で作るので、どうしてもやっぱり手癖と違うところが出てきたりとか、それがまたスキル向上に繋がるんですけど(笑)。
-この曲は動きながら弾けるんでしょうか?
H:それはもう、頑張ります(笑)!
-全編日本語詞ですね。日本語詞にはこだわりがありますか?
F:英語分からないので(笑)。母国語が一番作詞をする上でも書きやすいですし、聴く時もやっぱり何を言っているか分かりやすいので日本語が好きですね。でも英語にも良いところもあって、英語でやれば何でも格好良く聴こえちゃうっていう。
H:リズムに詰め込めるしね。
F:そう。日本語にない良いところというのは“あー!”っていう1つの音を伸ばすのでも、日本語だったら1文字しか入らないけど、英語だったら例えばそこに“Fly”などでも1音で入れられるから、意味をたくさん詰め込む必要があるところでは英語を使うんです。タイトルなんて殆ど英語ですから。ただ、意味をいっぱい込められるのに調べなければその意味が分からないというのが英語の悪いところですね(笑)。あと歌詞的にも英語の方が良いところでは惜しみなく英語を使います。でも基本的には日本語じゃないと、特にサビは日本語の方が聴き取れて一緒に歌えるので、やっぱり日本語が良いですね。
-Fukiさんの日本語詞は特に聴き取りやすいですよね。
F:ありがとうございます。英語の発音は全然駄目でカタカナ英語になっちゃうので、それこそ何を言ってるのか分からないですし、海外の人が聴いた時にもカタコトの英語じゃ格好悪いじゃないですか(笑)。だから多分これからも日本語押しは変えないと思います。
-Fukiさんの声は非常に特徴的でバンドにとって大きな武器でもありますね。自分の声をより魅力的に保つために行っていることはありますか?
F:特に今回はバラエティに富んだ曲に合わせて歌い方、発声を変えてますね。研究は常にしています。人の歌を聴いたときに、どんな曲でもこの人の歌い方を自分は出来るかなっていつも考えてますね。陰陽座さんの時でもそうだったんですけど。この歌い方は自分はやったことがないなとか、出来ないなって感じた時に真似をするようにしてます。そうやって自分の引き出しを増やすことは常に意識しています。今回も人の真似をしながら歌っているような曲があって、そうすることで良い面が出てきたりもするので、そういう自分の歌の表現に関してはかなり新しいもの新しいものと模索し続けているところはありますね。
-ちょっとダークな歌い方……おどろおどろしいまではいかないですが、そういった歌い方もありつつ、アルバム全体として見ると若干明るい方向性かなと感じたのですが。
F:1st 、2nd 、そして今回の3rdと考えたときに、1stはかなり全体的にポップなアルバムだったので歌い方もがなるような歌い方というのは無くて、ポップス歌手のような爽やかな歌い方をしていて、それ自体私は好きでやってたんですけど、それだとメタラーから物足りないという意見があったりして。2ndではアルバム自体がかなりへヴィ寄りになったので、歌い方も朗々と太めの歌い方をしてみたら好評でした。どちらも自分の歌い方ではあるんですけど、もっと色々やりたいですね。曲に合わせて全部同じ歌い方だからこそ良いっていう歌い手もいますけど、曲に合わせていろんな表現が出来るというのも魅力だと思うので、今回はどっちもやりました。どっちもやったし今までにやったことのない歌い方もしましたし、そういった歌い方のお陰でどの曲も飽きずに聴けるという面もあると思いますね。