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INTERVIEW

CANCER BATS

2010.05.11UPDATE

2010年05月号掲載

CANCER BATS

Member:Liam Cormier(Vo)

Interviewer:KAORU

-この3rd.アルバム『Bears,Mayors,Scraps & Bones』の製作にはいつ頃から取り組まれたのですか?また、トータルでどのくらいの時間がかかりましたか?

2009年の6月から曲作りを始めて、ずっと行きたかった日本のSUMMERSONICに出演する為に来日したり、他のいくつかフェスに出演する為に数週間中断した以外は8月までひと夏かけてずっと取り組んでいたんだ。9月からは今度はスタジオでレコーディングをスタートさせて、29日間かけてアルバムを完成させ、そのあと5ヶ月間のツアーに出たんだよ。

-『Bears,Mayors,Scraps & Bones』というタイトルは、メンバーのニックネームから名付けられたそうですが、何故メンバーのニックネームをアルバムタイトルにしようと思われたのでしょうか?Jaye=Bones(骨)、Mike=Bears(熊)はなんとなくわかるとしても、何故ScottがMayors(市長)で、LiamがScraps(屑)になったのでしょうか?

Scottは自分のルールを作り、自分が決めた法律みたいなものに従って生きているので、Mayor(市長)と呼んでいるんだ。彼は自分で全てを決めるので、誰も彼の人生について口が出せない。俺がScraps(屑)って呼ばれるのは、一文無しだった頃、テーブルに残っている食べ残しを食べていた時期があって、その時にScraps(屑)というあだ名を自らつけて、全く抵抗なくその状況を受け入れていたんだ。それがあだ名の由来さ。

-『Bears,Mayors,Scraps & Bones』は、This Is CANCER BATS!という感じで、ヘヴィで、パワフルで、グルーヴ感満載の、とてもかっこいいアルバムですね。これはCANCER BATSにとって3枚目のアルバムとなるわけですが、他のバンドを見渡してみると、3枚目のアルバムで急激な変化を遂げて、失敗に終わるという例も多いですが、『Bears,Mayors,Scraps & Bones』は、そのような急激な変化でリスナーが戸惑うことなく、更にCANCER BATSというバンドが好きになってしまうような、愛すべきアルバムだと思います。ご自身でも、3枚目だからと気負うことなく、ナチュラルに曲作りに取り組まれたのではないでしょうか?

まずは自分達がバンドとして何なのか、一緒に何が出来るのかが分かったんだと思う。前作2枚ではまだいろんなことを探っていた時期だったんだ。だけどこのアルバムではベースにJayeを迎えて、やっとラインナップも固まったし、彼とは2年も一緒にプレイしていたから、曲作りも毎日楽しみながら行えたんだ。みんなが聴きたい音楽を作るってこと以上のものになっていたんだ。

-14曲の間、集中力を途切れさせることなく一気に通して聴いてしまう勢いがありますね。これは曲の並び方にもかなり気を遣われた結果ではないかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか?

アルバムの曲順にものすごく時間をかけたからそう思ってくれて嬉しいよ。何時間も費やして、どう並べるべきかいろんな考えをぶつけたんだ。最後に一番気に入ったことは速い曲と同じくらいスローな曲もあるから、アルバムの中で変化をつけられてよかったということなんだ。速い、ゆっくり、速いという順序があるアルバムって好きなんだよ。

-アルバムの冒頭を飾る「Sleep This Away」は、重低音の効いたグルーヴが素晴らしく、イントロを聴いただけでゾクゾクしてしまう曲ですが、この曲について(歌詞における部分についても)ご自身で解説をお願いします。

この曲は自分の人生において疲れ切っていて、自分の限界を超えていることを表した曲なんだ。休みたいけどその前に片づけないといけないことがある。一日がやっと終わろうとするまで、自分を奮い立たせていくということなんだ。死にたいのに、まだやり残していることがある。壊れる限界まで、どれだけ耐えられるか、試練を与えられたかのような時って好きなんだよ。

-「Black Metal Bicycle」とはユニークなタイトルだと思うのですが、この曲はどのような経緯を経て作られた曲なのでしょうか?

この曲は人が外見や受け止められ方によってどれだけ誤解されているかについて歌った曲なんだ。俺達がヘヴィなバンドをやっていて、俺が常にスクリームしているからって、おっかなくて、怒りに満ちた人間だなんて思われるのは勘違いなんだよ。俺達と会って、全然怖くない、むしろいい奴らだってことに気づいて驚く人が多いんだ。みんなハードコア・バンドをやる連中っていうのはつねに何かに怒っていると思いがちだけど、実際そうじゃないんだ。

-アルバムのラスト・ナンバーBEASTIE BOYSのカヴァー「Sabotage」は、去年のSUMMER SONICで披露してくれましたよね。この曲をアルバムに収録しようと思ったのは何故ですか?また、原曲の良さが生かされていつつ、CANCER BATSらしいメタリックで重低音の効いたカヴァーになっていますが、曲順としてアルバムのラストに持ってきたのは何故なのでしょう?

BEASTIE BOYSが大好きで、子供の頃からファンだったんだよ。夏フェス用に何かカヴァー曲を用意したいなとは前から思っていたんだ。BEASTIE BOYSのカヴァーだったら俺達の曲を知らなくても、みんなが共感してくれるだろ?で、実際に演奏したら凄くウケが良かったんだ。だからスタジオに入った時に時間があったからレコーディングすることにしたんだよ。レコーディングしたって分かると、周りのみんなも興奮してくれたから、アルバムにも入れるべきだと思ったんだ。最後に収録したのはアルバムのショーケースよりかはボーナス的な立ち位置にしたかったのと、すでに素晴らしい曲が13曲もあったから、この曲を最後に持ってくることがクールなサプライズになると考えからなんだ。