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INTERVIEW

THE PRODIGY

2009.02.18UPDATE

THE PRODIGY

メンバー:Liam Howlett(Music composer) &Keith Flint(Dancer, Vocalist)

インタビュアー:Yuzuru Sato, translation by Mariko Shimbori

-「Invaders Must Die」「Omen」「Thunder」など、今回のビートはかつてないほどタフ&マッシヴで格好いいのですが、その要因と達成感のほどを聴かせて下さい。

L:ビートの質問だね、いいね。常に進化させたいと思ってるんだ。すごく満足してるよ。自分が少し発展させることが出来たなと思える新しいプロダクションや新しいサウンドには満足感を得るんだ。この3曲のビートはパワフルで、ライヴで試した曲もあるけど、凄くビッグなサウンドだ。

-ビートジャンキーのリアムの中で最近面白いビート・ミュージックはなんだと思いますか?

L:そうだな。最近よく耳にするクールなキッズがいて、Noisiaっていうんだけど、君も知ってるのかい? 「Omen」のリミックスを作ってくれたばかりだ。 佐藤:HADOUKEN!のリミックスも手掛けてますよね。

L:いや、Noisiaっていう名前のバンドだよ。俺たちは彼らのことは気に入ってるよ。クールだと思う。常にアンテナを張っていて、どんなキッズがどんなビートを作ってるのか知りたいと思う。俺たちも彼らから学べることはあるからね。

-シングル「Omen」を今のTHE PRODIGYサウンドを表明するシングルとしてプッシュする理由を教えて下さい。

L:このアルバムには3、4曲、シングルになり得る曲があると思っていて、「Omen」をライヴで演奏したんだ。

K:ライヴでのリアクションがすごく良かった。 L:自分たちが前進したことの分かる曲を選びたかっ
た。シングルを決めるのは本当に難しいんだ。「Take Me To The Hospital」もシングルにはいい曲だし、「Warrior's Dance」や「Thunder」、「Omen」、「Colours」もシングルに適していると思う。だから、シングルを選ぶのはとても難しいんだ。「Omen」はアンセムのような曲で、それが気に入っている。これまでの俺たちの楽曲とは少し違った曲だ。

K:最もアグレッシヴな自分たちを最初に見せておくのがいつものプロディジーだったけど、今回は少し違った曲を選んでみたんだ。

-「Run With The Wolves」や「Invaders Must Die」のクリップや「World On Fire」など、あなたたちは人の禍々しい部分や暴力から絶対に目をそらさないで表現しますよね。それはなぜなんでしょうか?

K:攻撃性のことだな。

L:それは、表現するのに楽なフォームだからだ。

K:俺にとっては、それが楽しみなんだ。それをみんなが視覚的に見ること、それが俺の楽しみなんだ。俺の喜びであって、それが俺にとっての音楽だ。それが正直なところだ。エナジーの爆発を見て、怖いもの、暴力的なものとみんなが感じる。でも、そのどちらでもなく、実際はハッピーなものなんだ。

L:俺たちは暴力的とは見ていなくて、ただの音楽で、前に押し出されたエナジーのある音楽だ。エッジがある。

K:エッジーなものが暴力的かというとそうではない。君が何を言いたいのか、質問の意味も分かってるけど、俺の答えとしては、それは俺の喜びの表現と言うしかないんだ。俺にとっての音楽はそうで、自分が子供だったときもザ・ジャムを聴いていて、その音楽に煽動されて、それで楽器をやりたいと思ったりする人もいるんだろうけど、俺は壁に頭を思い切り打ち付けたくなるんだ。すべてを引き裂いて破壊したくなる。それは喜びであって、悲しみではないんだ。

-ただ、今作では怒りや反抗といったバンドの核にストレートな享楽性が加わっているように感じます。一時期ドラッグに溺れたレイヴ・カルチャーに失望したリアムにとってはかなり大きな変化と思うのですがいかがでしょうか?

L:ドラッグに失望したというよりも、あんなレベルに下がってしまったからだ。ダンス・カルチャーはいつでもドラッグが付随していて、レイヴ・カルチャーだけのことではない。音楽自体と結びついているんだ。音楽はドラッグ・カルチャーだと思う。ロック・ミュージックでもダンス・ミュージックでもそうだ。だから、ドラッグに失望したのではなく、レイヴ・カルチャーのレベルが低下したことに幻滅したんだ。

それはずいぶん前のことで、92年頃のことだ。自分が愛してることが別のものへと変わっていくのを見ると...スコットランドでステージに立ってるときだけど、92年の終わりにギグをやっていて観客の方を見ていて、「これって違う。俺が夢中になったものと違う。今俺が見てるのはまったく違うものだ」と思ったのを覚えてるよ。そこにいる人たちはみんな最高だったけど、俺の求めてるものとは違った。バンド内でも話したんだけど、「これってなんか違う。変わってしまった。俺たちも同じことをただ繰り返してるだけなんじゃないか」と感じたんだ。それでも、その音楽自体は素晴らしいものではあった。だけど、困惑したものとなって、すごくテンポの速いものになっていった。俺たちはそんなふうにどんどんテンポの速いものをやりたくはなかった。バカげてると感じていた。パロディー化してしまった。

K:さっきも話した「Out Of Space」のビデオのときに話したように、みんなが侮辱するものとなった。小バカにしていた。当時のシーンはもうシリアスなものではなくなってしまった。ハイジャックされてしまったんだ。

L:コメディにね。

K:コメディに。

L:いろんなキャラクターが登場してさ。

K:最低だった。

L:そもそもレイヴ・カルチャーは...俺たちが夢中になったのも反乱を起こすシーンだったからで、何人かがグループになって...

K:倉庫とか古いオフィスビルとかに乱入するんだ。ドアを蹴り開けて、そこにサウンド・システムを設置して、照明を付けて、窓から飛び降りたりして楽しんでいた。そういったところに俺たちも夢中になってたんだ。そういったシーンに所属していたかった。音楽にもそういった無秩序さがあった。だからこそ音楽がアナーキーで攻撃的なんだ。団結した人々がいて、そのパーティーのロケーションや内容に秩序などなかった。俺たちは、それが冗談へと変わっていくのを見た。レイヴ・カルチャーそのものをからかったものとなってしまった。俺たちは、それには乗らないことにした。

L:その流れに乗ってレイヴを支持するか、それとも、それはそれで勝手にやらせておいて、自分たちは自分たち独自のものを始めるかの選択で、俺たちは後者を選んだんだ。

-本作はいわゆるパンク的な戦い方とヒップホップ的な戦い方とレイヴ的な戦い方を融合したUKのカウンターカルチャーのイコンでもあるTHE PRODIGYをモダンにアップデイトした傑作と言えると思うのですが、この意見に対する見解を聞かせて下さい。

L:そういってもらえて嬉しい。ありがとう。

K:とても優れた観察力だ。スゴイ。

L:俺たちに出来ることはいいアルバムを作るということで、正直に言って、俺たちはそういったアルバムを作ったと思う。

K:そういった要素が俺たち独特の要素で、それが俺たちなんだ。それは間違いない。

L:俺たちの初期には、困惑していた人が大勢いた。テクノが好きだったらテクノ・アーティストになってテクノを作るべきだと考えていた。大勢の人たちが俺たちのことを誤解していた。俺たちは誤解されていた。「どうしてこいつらはヒップホップも好きで、テクノも好きで、ロックも好きだなんて言えるんだ? どれもこれも好きなはずないだろ? 本来はこうでなきゃ、ああでなきゃ」と言っていた。俺たちはそういった音楽全部が好きで、それらは俺たちの好きな俺たちのカルチャーで、俺たちの音楽はそういう音楽が好きであることの産物なんだ、と言ってきた。今はもっと人々がオープンになって、今のオルタナティヴ・ミュージック・シーンはそういった要素を導入したシーンだ。
ある意味、俺たちの音楽もそのシーンに属してると考えてもいいかもしれない。境界線を超えている音楽だ。俺たちが活動し始める前は、ロック・クラブではダンス・ミュージックがかかることはなかった。ロンドンのロック・クラブでロック・ナイトがあったら、ダンス・ミュージックはまったくかかることはなかった。でも、「Voodoo People」はかかって、『Kerrang!』も取り上げてくれた。Moratはこの雑誌のジャーナリストで、彼が...

K:俺たちのアルバムを支持してくれた。

L:アルバムを支持してくれた。彼がそうしてくれたおかげで、みんなが応援してくれるようになって、俺たちのこともみんなに理解してもらえるようになったんだ。

-今のUKの社会的状況とバンドの楽曲は関係していると言えますか?

L:そういったことはこのアルバムでは重要ではなかった。そういったことを反映しているアルバムを作ることには興味はなかった。パーティー・アルバムとしていい作品を作りたかったんだ。ダークな作品は作りたくなかった。今の社会状況を反映したものだったら、もっとダークな内容になっていただろう。

でも、もしかしたらそのリアクションとしてパーティー・アルバムを作りたいと思ったのかもしれない。今は困難な時代だからな。そういったことは考えてなかったけど、そろそろ...

K:俺たちの音楽は、現実逃避なんだ。THE PRODIGYのショウも現実逃避だ。世の中が辛い状況になっていれば、俺たちのショウに足を運んでくれ。俺たちがそれを変えてやるよ。ハッピーな時を過ごして互いに抱擁し合うってもんじゃなくて、ちょっと羽目を外せるような時間だ。世知辛い世の中であれば、このバンドは必ず生き残っていける。俺たちはそういう時期にこそ生き残れるバンドで、最高な状態となる。そういった状況だと俺たちは逆に強くなっていって、バンドが最高の状態になるんだ。

-結婚のようですね。

K:残念なことに俺たちはこのバンドと結婚してるんだ。いや、残念なことでは全然ない。2重婚してるようなもんだな。