DISC REVIEW
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ハードコア由来の容赦なきアグレッション、メタリックなリフと緩急自在のリズム隊が生み出すヘヴィ・グルーヴ、モッシュ必至のブレイクダウン、怒りだけではなく内省的な心情を率直に曝け出す叫び、ニューメタル風の楽曲で見せる鋭利な刃の如きラップも含めて、徹頭徹尾STRAY FROM THE PATH節が貫かれた全10曲――常に権力の腐敗や理不尽な現実、様々な社会問題に対して声を上げ続けてきたNY出身の4人組が、2025年末に解散することを発表して驚いたファンも多いだろうが、同時にサプライズ・リリースされた通算11枚目のアルバムは、まさにバンドのラストを飾るに相応しい見事なアルバムである。彼等の最後の音と言葉を全身で受け止めてほしい。 井上 光一