DISC REVIEW
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北欧のメロデス/ブラック・メタル・シーンに名を残すバンドのメンバーが集結したスーパー・グループとあって、過激な音楽性を期待する人も多いかもしれない。しかし本バンドで展開されているのは、彼等のもう1つの共通項である"ゴシック"に焦点を当てたサウンドだ。Mikael Stanne(Vo)の哀愁を纏ったカリスマ的なクリーンVoと、きらびやかなキーボードをフィーチャーした楽曲は耽美且つダークで、静謐な北欧の夜を想起させる珠玉の仕上がり。各バンドに多少なりとも存在したエッセンスを突き詰めたような作風で、ファンならすんなりと作品世界へ入り込めるはずだ。抑制の効いた本編とは打って変わって、エモーショナルに疾走する国内盤ボートラにも要注目。 菅谷 透