DISC REVIEW
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大事故からの復活を果たした、前作『The Ghost Inside』は素晴らしい出来だった。それだけに、オルタナ寄りの路線へ変化した本作の先行シングルに一抹の不安を覚えていたのだけど......Track.1「Going Under」を聴いた瞬間、まったくの杞憂だったことを確信できた。たしかにクリーン・ヴォーカルの増加やグルーヴィなリフなど、前作でも垣間見えた変化がより鮮明になっている部分はあるが、パワフルな疾走やフロア対応のモッシュ・パートは健在。Jonathan Vigil(Vo)が父を亡くした日の街の光景を切り取った「Cityscapes」、前作のラスト・ナンバーにも通ずるエモーションを描く「Breathless」など、メロディックな新要素も見事に融合していて、これまで以上にドラマチックな作風へと躍進を遂げた1枚だ。 菅谷 透