DISC REVIEW
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フィンランドが世界に誇るフォーク・メタル、KORPIKLAANIの通算12枚目となる最新作。メタルと民族音楽を融合させた陽気なスタイルは不変ながらも、本作は初期の彼らを想起させるアグレッシヴ且つアップテンポな曲が多く収録されており、トレードマークのヴァイオリンやアコーディオンの音色が縦横無尽に暴れ回る、彼ららしさ全開のサウンドで"コルピと温故知新の旅"という邦題もまさに言い得て妙。北欧らしい叙情性を感じさせる瞬間もあり、アルバム中唯一5分を超えるラスト曲「Harhainen Höyhen」はまるで旅の終わりを告げるような哀愁を漂わせているのも印象深い。日々の喧騒を忘れて、享楽的な夜を過ごしたいすべてのメタルヘッズはコルピが主催する酒と音楽の宴に今すぐ参加すべし。 井上 光一