DISC REVIEW
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グラフィティと漫画の融合という新たな表現で人気の漫画"ガチアクタ"の作者である裏那 圭、晏童秀吉が手掛けるアートワークとロゴが目を引くCVLTEの記念すべきメジャー1stアルバムは、これまで以上にコンセプチュアルな作品に。"バイオハザード"のスタート画面を彷彿とさせるTrack.1「2052. (main menu)」を皮切りに、ポスト・ハードコアやエモ・ラップ、ポップ・パンクを昇華したサウンドに近未来を感じさせるEDMが加わり、オートチューンを介したaviel kaei(Vo)の儚げな歌声がダークでエモーショナルな雰囲気を纏って次から次へと展開していく。既発曲のサンプリングを随所に散りばめるなどの遊び心もあり、彼らのやりたい音楽がまるで闇鍋のように詰め込まれた聴き手を飽きさせない圧巻の仕上がりになっている。デジタル・ネイティヴ世代のミュージック・シーンを牽引し、新時代のアイコンとなる1枚だ。果たして2052年はどんな世界になっているのだろうか。 横山 開