DISC REVIEW
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リリースしたアルバム3作品がすべて全英1位を獲得、今や国民的な人気を誇るベース&ドラムの最強ロック・デュオ、ROYAL BLOOD。ダンサンブルな要素など意欲的な音楽的変化も取り入れた前作『Typhoons』(2021年)に続く通算4枚目となる本作は彼ら自身によるセルフ・プロデュースで、その選択が正しかったことは本作を聴けば明白であろう。初期の彼らを思わせるハードで強烈なベースのリフと、重厚さとしなやかさを兼ね備えたドラムスによる一切の無駄のないヘヴィ且つ踊れるキャッチーな楽曲群はどれも粒揃いの出来栄えだ。同時に、キャリアを経て培ってきた幅広い音楽性は随所に盛り込まれており、いかにも英国的な憂いを帯びたメロディの素晴らしさにもぜひ注目してほしい。 井上 光一