DISC REVIEW
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1990年代にデビューしたいわゆるニューメタル~オルタナティヴ・メタルと呼ばれたバンドたちの中で頭角を現し、同時代のバンドの多くが解散していくなかで定期的に質の高い作品をリリースし続けて商業的な成功も収め、メンバー・チェンジをほとんど経験することもなく安定した活動を続ける稀有なバンド、それがSEVENDUSTである。通算14枚目となる本作においても、シーンでは珍しい黒人ヴォーカリストのLajon Witherspoonによるソウルフルな歌唱と熱いメロディ、鉄壁のヘヴィ・グルーヴを軸とした楽曲群は健在ながら、1曲目には現代的なエレクトロ風の要素も導入するなど、音楽的冒険にも果敢に挑戦。それでいて、バンドの核は決して失わない姿勢に感服せざるを得ない貫禄の1枚だ。 井上 光一