DISC REVIEW
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日本発メロデス・バンドが放つ4年半ぶりのフル・アルバム。先行シングル「Sword of Obsidian」をはじめ、超速ブラスト・ビートに悲哀を湛えたギター・ワークが縦横無尽に駆け巡るスタイルを全編で貫きつつ、3拍子で構成した同先行シングル「Chaosbringers」、変拍子だらけの「Omen」など多彩な楽曲を内包した圧巻の楽曲群は、前シングル『Blood Ocean』のサウンドのまとまり方と比べるといい意味でパート同士がぶつかり合い、バンド・サウンド全体にエッジが効いた仕上がりになった。その中でも埋もれない強靭なヴォーカルがいっそう際立ち、バンドの良さが存分に生かされた今作を武器に、シーンに下剋上と混沌をもたらす存在足り得るのか。今後の彼らの活躍に期待したい。 米沢 彰