DISC REVIEW
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アルベール・カミュの代表作"異邦人"にもインスピレーションを受け、常に死の不安がつき纏うなかで人間の存在意義や価値を探求する、AVENGED SEVENFOLDが4年の歳月をかけて完成させたアルバム。哀愁漂うフラメンコ・ギターを繊細に爪弾くイントロからスラッシュ・メタルへと展開する「Game Over」に始まり、プログレッシヴなギター・リフ、スペイシーな浮遊感、壮大なジャズとなんでもありで、極めつきに表題曲「Life Is But A Dream...」はピアノ独奏曲という、あらゆるジャンルを超越した大作だ。そして不思議なことに、これほど難解でカオティックでありながら、取っ散らかって収拾がついていないという印象もない。53分間、最初から最後まで通しで、何度でも聴いてほしい1枚。 内堀 文佳