DISC REVIEW
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狂気さえ感じさせる、リード・チューン「if」での粘着性を持ったカオスな轟音ぶりと、偏執的な恋慕を描いた詞の秀逸さ。これはLETITOUT-lelia-にとっての新境地であると言って差し支えないかと思う。MINAHOとNARUMIが聴かせるツイン・ヴォーカル、KANAとMINAHOが聴かせるツイン・ギター、MOMOの響かせるベース・ラインも表情豊かだ。1st EP『L』の段階でも音楽性の幅はずいぶんと広いバンドだと感じていたものの、今作では2階級特進した印象で、より様々な音像やストーリーを描き出すことに成功している。敬愛するMETALLICAの『Kill 'Em All』とかけたというアルバム名もなかなか小粋であるうえ、最後は「Shine' Day」でさっぱり清々しく終わってみせるところも潔い。 杉江 由紀