DISC REVIEW
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人間が本当の意味で"ひとりでできるもん!"と腹をくくれるようになるには、それなりの経験や経過が必要だ。多数のゲストVoを迎えての初アルバムから、かれこれ半年。青色壱号はここに来て主宰者である一ノ瀬が自らベース&ヴォーカルとしての立場を明確にし、このシングルをもって大胆なシフト・チェンジに成功したようである。尖ったエレクトロ・ポップとロック・テイストが融合する中に昭和歌謡のフレーバーが散りばめられた「A LONELY DIVER」。本人の言葉をそのまま借りるなら、いい意味で"B面っぽい"地味さと怪しさが独自の存在感を放つ「毒林檎を食べたら」。ピコピコな激甘ポップと闇かわいい歌詞のマッチング加減がヤミツキ感を呼ぶ「いいよ」。いやはや、これはいい意味でクセが強い! 杉江 由紀