DISC REVIEW
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2016年、セルフ・タイトルのデビュー作で彗星の如くシーンに姿を現したBADOMENS。レーベル・ツアーや"Warped Tour"へ参加し、2018年5月には初の来日公演も行った彼らが、ベーシストの怪我による脱退を乗り越え、待望の2ndアルバムをドロップした。前作で見せたヘヴィネスと美しいメロディの対比は今作でより研ぎ澄まされており、壮大な情景を想起させるTrack.1、エピックなシンセ・リード/コーラスとスラッシーなリフが交錯するTrack.2の流れはまさにバンドの真骨頂だ。カリスマ・フロントマンのNoah Sebastianはその歌唱力をさらに増し、Track.3、Track.9では多彩な表現で聴く者を楽曲世界に引きずり込んでいく。アグレッシヴなヘヴィ・ナンバーがひしめく中盤も素晴らしいが、神秘的なゴスペルを携えたラスト・トラックは圧巻。バンドとしての正当な進化が感じられる良作だ。 菅谷 透