DISC REVIEW
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氾濫するロマンティシズムと、崩壊と構築が錯綜する濃密な音像。ニュー・ウェーヴの香りに目がない人種にとって、これは大層なご馳走アルバムである。幻想的インスト「WINTER FOREST」から始まり、それと対になる「CHILDREN RUINS GARDEN」で締めくくられる今作は、DALLEの持つ美学だけで織り上げられた深遠なる音絵巻だ。恍惚さえ感じる「終わる世界とさよならヘヴンリー」、シングル曲「SUMMER SADNESS」をリビルドした「BRIGHT NEU STARS」の他、CRYSTAL CASTLESがTHE CUREのRobert Smithを招聘し作り上げた「Not In Love」やEX-ANS「The Last Dance」のカバーが収録されている点も興味深い。 杉江 由紀