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INTERVIEW

DALLE

2018.08.08UPDATE

2018年08月号掲載

DALLE

メンバー:atsushi(Ba)

インタビュアー:杉江 由紀

豊かな土壌があってこそ、多くの実りが生まれるということだろう。かつてはDEEPやHATE HONEYで活躍していたatsushiと、MALICE MIZERを経て現在はZIZやXA-VAT、ソロでも活動するKozi。そして、元9GOATS BLACK OUTのヴォーカリストにして現 HOLLOWGRAMのryo。この3人で2015年より本格始動したダルが、さらにその活動を激化しようとしている。今回発表するMVコレクションDVD『this iz beautiful brutalizm 2016-2018』が、彼らの第1章を統括するものだとしたら、ここからの歩みは第2章にあたるものとなっていきそうだ。今回は、ダルのリーダーでありベーシストであるatsushiにインタビューを敢行。ダルというバンドについて、そしてMV集について語ってもらった。

-ダルは激ロック初登場となります。まずは、このバンドがどのようにして始まったのか? というところから教えてください。

遡ると10年くらい前から、ギターのKoziとはよく一緒に飲む友達だったんです。飲みながら話をしているうちに、お互いの音楽的なルーツがかなり近いことがわかってきて、ダークなニュー・ウェーヴの話とかですごく盛り上がったときに、"じゃあ、遊びで今度コピー・バンドをやろうか"という話になったんです。そのとき、周りのほかの友達にも声を掛けて一緒にライヴをやりました。

-そこから、2015年にダルは本格的に始動したことになるそうですが、そのきっかけはなんだったのでしょうか?

2015年の11月に、新宿のReNYというハコでAIDSのベネフィット・ギグ(11月8日に行われた"NPO法人JoinLIFE機構PRESENTS HOPE AND LIVE~HIV/AIDS治療支援ベネフィットコンサート2015")がありまして、そこにダルで出たのがきっかけと言えばきっかけでしたね。実は、僕がDEEPをやっていたときからつるんでいた奴がAIDSになってしまったんです。そういう流れもあって、当時の僕は自分の固定したバンドを持っているわけではなかったんですけど、ぜひそのギグには出たかったので、ダルとして出てみようということになったんです。ただ、そのときは前任ヴォーカリストのスケジュールが合わなかったので、元9GOATS BLACK OUTのryo君を誘うというかたちになりました。

-ryoさんとも以前から親交があったのですね。

9GOATS BLACK OUTとは、僕が以前やっていたバンドのときにlynch.と3バンドで対バンをしたことがあって、ryo君とはそこで知り合ったんです。そして、もともと彼の歌はいいなと思っていたんですけど、実際に一緒にやってみたら思っていた以上にグッと来るものがありまして、僕から"このまま継続してやってみない?"ということをryo君に言ったんです。もちろん、ryo君にはHOLLOWGRAMを始めとしたいくつかのバンドがあるし、KoziにもZIZやソロとしての活動もあるので、難しいところはあったんでしょうけど。それでも、僕が相当熱い感じで"やりたい!"ということを伝えたせいか、ふたりとも了承してくれたんです(笑)。

-なるほど、そういうことでしたか。

それ以来、隔月くらいのペースで自分たちのイベントを組んでやるようになって、そのたびにオリジナル曲のシングルとMVを出していったんですよ。

-このバンドはゴシック・パンクというキーワードを提示されていますね。

もともと、僕らはBAUHAUSを筆頭としたポジパン(ポジティヴ・パンク)のカバーから始まったバンドですから。最近あんまりその言葉自体は聞かなくなっちゃいましたけど、1980年代後半から1990年代の初頭にかけての当時はまだゴスという言葉もそこまで浸透していなかったし、当然ヴィジュアル系というのもなかったですが(笑)、あのころに聴いていたものが自分たちの音楽のベースにあるのは間違いありません。だからといって、CHRISTIAN DEATHみたいなことをそのままやっているのかといえば、ダルの音楽はそれとも違うので。受け継いでいるのは、あくまで精神性の部分であるというか。音楽的にはもっと柔軟で、このメンバーがいいと思ったことをガンガンその時々でかたちにしてきている感じです。

-ちなみに、この"ダル"というバンド名は何に由来するものですか。

このダルは、僕の好きな女優で"ベティ・ブルー"という映画に出ていたBeatrice Dalleの名前からとりました。

-"ベティ・ブルー"は1986年に公開されたフランス映画ですので、ある意味で時代性としてはダルの音楽性ともリンクしますね。

でも、彼女の名前の響きが好きでカッコいいなということで付けただけなので、バンド名自体にはそんなに意味はありません(笑)。

-ところで、このたびダルはMVコレクションDVD『this iz beautiful brutalizm 2016-2018』を発表することとなりました。今作は、まさにこれまでダルがコンスタントに制作してきたシングル曲たちのMVをまとめたものになるわけですよね。

はい、そういうことになります。今年の11月で僕らは正式に動き出してから3年になるんですが、ダルではアートワークや映像の面でも一貫したイメージをここまで打ち出してきているので、今回の『this iz beautiful brutalizm 2016-2018』でもその雰囲気はきっと伝わるんじゃないかと思います。

-今作は40ページにもおよぶブックレットがついた映像詩集になるとのことですが、こちらではMV制作についてもatsushiさんがすべて手掛けられているのだとか。(発売されるMV集DVDはブックレット付きの限定盤と、ブックレットの付かない通常盤の2種類での発売となる)

全部、自分でやってます。ダルで1本目に作った映像は最初に新宿のReNYでやったライヴの動画素材を編集してもらったものだったんですが、2本目のMVからはすべて僕が監督としてやらせてもらってます。

-監督業は以前にもされていたことがあったのですか?

いや、それはダルを始めてからです。それまではDEEPのときにしても、ほぼ言われるがまま撮られる側でしたね(笑)。

-atsushiさんがダルの世界を音楽面だけではなく、総合的にご自身で作り上げていこうと思われた理由についてもぜひ教えてください。

最近は音楽の方に時間をとられてなかなかやれていないんですが、僕は前に自分のブランドで服のデザインもやっていたりしたんです。そこがきっかけでグラフィックのデザインをやり出して、自分のバンドでもアートワーク全般や、そこから発展して映像の方もやるようになりました。

-MVの場合はもちろん楽曲ありきになるのだと思いますけれども、atsushiさんが作られる映像は映画的なアプローチをとられているものも多い印象です。MVを制作されていく際、特にこだわられているのはどんなことですか。

さっきの"ベティ・ブルー"に限らず映画は大好きでよく観ます。Derek Jarmanの作品とかも大好きなので、自分が観てきた好きな映像のニュアンスも入れつつ、MVを作るときには基本的に楽曲の世界感を重視するようにしています。

-楽曲制作、映像制作などのアートワーク全般、そしてライヴ。ダルとしての活動を行っていくのにあたり、atsushiさんの中でその3要素はいかなるパワー・バランスをもって成立していることになるのでしょうか。

全部が重要なんです。土台となる楽曲がいいものであることは大事だし、そこに完成度の高い映像が伴えばさらに世界は広がるし、より伝わりやすくなりますから。それと同時に、バンドとしてはライヴもすごく大切なものなので、その3つはダルをやっていくうえでどれも等分で3分割になっていると思います。