DISC REVIEW
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独特のサウンドを有しグランジ・シーンで異彩を放つALICE IN CHAINSが、約5年ぶりとなる6thアルバムを完成させた。カリスマ・ヴォーカリスト Layne Staleyの亡きあと、William DuVall(Vo/Gt)をフロントマンに迎えた現体制でのアルバムもついに3作目となり、「The One You Know」、「Red Giant」といった、彼らの代名詞である重々しいリフの楽曲はもちろん、「Maybe」などではバンドの新たな武器と言える、WilliamとJerry Cantrell(Gt/Vo)が織り成す退廃的ながら美しいコーラス・ワークも発揮されている。グランジ勃興の地である地元シアトルを見守る"レーニア山"の名を冠し、3rdアルバム『Alice In Chains』と同じスタジオで約20年ぶりに録音されたという本作は、Kurt Cobain(NIRVANA/Vo/Gt)、Chris Cornell(SOUNDGARDEN/Vo/Gt)、そしてLayneら友人たちの死という過去と向き合いながら、それでも前へ進んでいくという強い意志が感じられる1枚になった。 菅谷 透