DISC REVIEW
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泣く子も黙る、ex-SEPULTURAの世界一獰猛なメタル兄弟、Max Cavalera(Vo/Gt)とIgor Cavalera(Dr)がメタル・シーンに帰還。前作『Pandemonium』(2014年)同様、スラッシーな疾走感とデス・メタルの暴虐性を前面に押し出しながらも、鬼才Justin Broadrick(GODFLESH/JESU)が参加した「Hellfire」(Track.6)では不穏なまでのノイズと轟音が炸裂。そして、インスト曲「Psychosis」(Track.8)で見せるトライバルな空気感とカオティックな音塊が飛び交う楽曲展開なども含めて、単に原点回帰したのではない、2017年に産み落とされたエクストリーム・メタルとしての矜持を十二分に感じ取れる作品に仕上がっているのだ。キャリアを重ねるごとに、一層凶暴になっていくCavalera兄弟が生み出すブルータリティに悶絶必至である。 井上 光一